2026.9.27

    ショートドラマ制作費用の相場と内訳|予算の決め方を縦型ショートドラマ制作会社が解説

    ショートドラマを外注しようとして最初に止まるのが「いくらかかるのか」です。見積を取ると30万円台から数百万円まで幅があり、何に差があるのかが分かりにくいと感じる方も多いと思います。

    この記事では、縦型ショートドラマに特化し、メディアミックスを展開する制作会社、株式会社HA-LUの立場から、ショートドラマ制作費用の相場、内訳、金額が変わる要因、目的別の予算の組み方、見積書の見方、費用を抑える方法までを整理します。

    この記事の結論

    • ショートドラマ制作の費用は、小規模30万〜80万円、中規模80万〜200万円、大規模200万〜500万円以上が目安です。

    • 金額差が最も出るのは、キャスティングと運用範囲です。

    • 見積は総額ではなく「どこまで含まれているか」をそろえて比較します。

    • 予算は制作費だけでなく、配信・運用・広告・効果測定までを含めて組むと、費用対効果を判断しやすくなります。

    ショートドラマ制作費用の相場

    ショートドラマ制作費用の相場は、規模によって次の3つに分かれます。

    規模

    費用目安

    想定する内容

    向いている目的

    小規模

    30万〜80万円

    短尺・少人数・編集中心の簡易制作

    テスト導入、社内での検証

    中規模

    80万〜200万円

    企画・脚本・制作に加え、SNS配信設計や簡易分析を含む

    SNSでの認知拡大、商品の好意形成

    大規模

    200万〜500万円以上

    複数話構成、著名キャスト、広告運用連携など本格施策

    大型キャンペーン、OOHやイベントとの連動

    金額はあくまで目安です。同じ「1本」でも、1分の単話か、10話前後のシリーズか、出演者が誰かによって見積は大きく変わります。

    予算別にできること

    予算

    できることの例

    注意点

    30万〜80万円

    1話完結の短尺を数本、少人数の出演者で制作

    キャスティングや運用は自社で行うか、範囲を絞る必要がある

    80万〜200万円

    企画・脚本から制作、SNSでの配信設計、簡易な分析まで

    著名な出演者の起用や広告配信は別予算になることが多い

    200万円以上

    複数話のシリーズ、フォロワーの多い出演者の起用、広告配信やOOH・イベントとの連動

    目的と指標を先に決め、施策ごとの役割を整理しておく

    依頼先のタイプ別の費用の特徴

    依頼先

    費用の特徴

    向いているケース

    ショートドラマ制作会社

    企画から運用までを一括で見積もることが多い

    SNSで見られる設計と、配信後の改善まで任せたい

    一般的な動画制作会社

    撮影・編集を中心とした見積になりやすい

    企画や運用は自社で行い、映像の品質を重視したい

    フリーランス・個人クリエイター

    比較的費用を抑えやすい

    小規模に試したい。体制や納期の確認は丁寧に行う

    広告代理店

    制作費に加えて、広告や他施策を含めた全体の見積になる

    テレビやWeb広告など、ほかの施策と合わせて進めたい

    SNS配信型と課金型の費用の違い

    ショートドラマには、TikTokやInstagramなどで無料で配信する「SNS配信型」と、ショートドラマアプリで1話ごとに課金して視聴する「課金型」があります。SNS配信型は企業の認知や好意形成を目的とすることが多く、数話から十数話のシリーズが中心です。課金型は数十話に及ぶ長編が一般的で、撮影日数も編集量も大きくなるため、制作費の考え方が異なります。企業のマーケティングで使う場合は、まずSNS配信型で反応を確かめる進め方が一般的です。

    費用が決まる基本の考え方

    ショートドラマの費用は、おおまかに「1回の撮影でどれだけの話数を撮るか」と「誰が出演し、どこまで運用するか」で決まります。

    撮影にはスタッフ・機材・ロケ地の費用が日単位でかかるため、1日の撮影で複数話をまとめて撮ると、1話あたりの制作費は下がります。一方で、出演料や運用費は話数や期間に比例して増えます。シリーズで依頼する場合は、総額だけでなく1話あたりの費用も確認すると、比較しやすくなります。

    制作費用の内訳

    ショートドラマの見積は、主に次の項目で構成されます。

    項目

    内容

    金額が動く要因

    企画・脚本

    目的とターゲットの整理、ストーリー設計、脚本執筆

    話数、商品の組み込み方、修正回数

    キャスティング

    出演者の選定・交渉・出演料

    出演者の知名度とフォロワー数、二次利用の範囲と期間

    撮影

    監督・カメラ・照明・音声などのスタッフ、機材、ロケ地、美術・衣装

    撮影日数、ロケ地の数、許可が必要な場所の有無

    編集

    カット編集、テロップ、BGM、カラー調整

    本数、尺、媒体ごとの書き出し数

    配信・運用

    アカウント運用、投稿設計、コメント対応、レポート

    運用期間、対応する媒体の数

    広告・拡張施策

    広告配信、OOH、イベント、インフルエンサー投稿

    媒体費と施策の組み合わせ

    進行管理

    スケジュール管理、企業側との確認、出演者・関係者との調整

    確認の回数、関係者の数

    このうち「配信・運用」と「広告・拡張施策」は、制作会社によって見積に含まれる場合と含まれない場合があります。見積を比較するときは、金額より先に「どこまでが含まれているか」をそろえることが大切です。

    金額差が大きく出る2つのポイント

    キャスティング

    ショートドラマでは、誰が出るかが再生数と拡散のされ方を大きく左右します。フォロワーの多いインフルエンサーやタレントを起用すると出演料は上がりますが、出演者自身の投稿による拡散も見込めます。

    HA-LUでは、出演者と商材のあいだに「あえて意外性をつくる」組み合わせを考えることがあります。視聴者が「この人がこの商品に?」と感じる組み合わせは、コメント欄での会話を生み、アルゴリズム上でも届く先が広がりやすいためです。出演料の高さだけでなく、誰に、どのフィードで届くかまで含めて起用を考えると、同じ予算でも結果が変わります。

    運用範囲

    動画を納品して終わりにするか、配信・分析・改善まで任せるかで費用は変わります。ショートドラマは1本目で当たりが出るとは限らず、視聴維持率やコメントを見ながら2本目以降を調整していく施策です。運用まで含めると初期費用は上がりますが、改善の回数が増える分、1再生あたり、1反応あたりの費用は下がりやすくなります。

    そのほかに費用が変わる要因

    • 話数とシリーズ構成:話数が増えるほど脚本・撮影・編集の量が増えます。

    • 二次利用:動画を広告やOOH、ほかのSNSで使う場合、出演者の権利処理の費用が加わります。

    • ロケ地:商業施設や公共の場所での撮影は、許可の取得や施設利用料が必要になることがあります。

    • 修正回数:企業側の確認工程が多いと、編集の修正費用が増えることがあります。

    • 納期:短い納期では、スタッフや撮影日を優先して確保するための費用がかかることがあります。

    • 多言語対応:海外向けに字幕や吹き替えを付ける場合は、翻訳と編集の費用が加わります。

    制作費だけで予算を組まない

    HA-LUが提案時に必ず確認するのは「この動画で何を起こしたいか」です。認知を広げたいのか、来店や購買につなげたいのか、採用なのか。目的が違えば、制作費と配信費の配分も変わります。

    例えば、みずほフィナンシャルグループとHA-LUが展開するショートドラマアカウント「青くていいんだ。」では、SNSでのシリーズ配信に加えて、大手町タワービジョンでのOOH展開や渋谷駅井の頭線改札口でのジャック広告も実施しました。第1弾はSNS総再生940万回を超えています(HA-LU公式サイト WORKS 掲載時点)。SNSで生まれた接点を、屋外広告という別の接点につなげた例です。

    このように、ショートドラマを起点にOOH・広告配信・インフルエンサー施策・リアルイベントへ展開する前提で予算を組むと、制作費の妥当性も判断しやすくなります。制作費は「作品の値段」ではなく、「その後の施策全体の起点の値段」として見るのがおすすめです。広告としての活用方法は「ショートドラマ広告とは?」で解説しています。

    目的別の予算の組み方

    目的

    予算を厚くしたい項目

    見るべき指標

    認知を広げたい

    キャスティング、広告配信

    再生数、リーチ

    商品やブランドを好きになってほしい

    企画・脚本、シリーズの話数

    視聴維持率、コメント、保存

    来店・購買につなげたい

    運用、広告配信、店頭や商業施設との連動

    クリック、クーポン利用、売上

    採用につなげたい

    企画・脚本、社員や職場の描き方

    応募数、説明会の参加数

    はじめは小規模で数本を試し、反応のよかった題材や出演者に予算を寄せていく進め方もあります。最初から大きな予算を一度に使うより、数字を見ながら配分を変えられる計画にしておくと、費用対効果を高めやすくなります。

    ほかの動画施策との費用の考え方の違い

    施策

    費用の主な中身

    特徴

    ショートドラマ

    企画・脚本、出演料、撮影・編集、運用

    シリーズで続けて見てもらうことで、アカウントやブランドへの好意が積み上がる

    Web CM

    企画、撮影・編集、出演料、広告の媒体費

    伝えたい内容を短く確実に届けやすい

    TVCM

    制作費に加え、放送枠の媒体費

    幅広い世代に一度に届けられるが、媒体費の比重が大きい

    インフルエンサー投稿

    投稿の依頼料、企画・管理費

    投稿者のフォロワーに届きやすいが、1本ごとの単発になりやすい

    ショートドラマは、1本ごとの広告として見るより、シリーズとアカウントを育てる施策として見ると費用の妥当性を判断しやすくなります。ショートドラマで制作した動画を広告やOOHに転用すれば、素材を何度も作り直す費用を抑えることもできます。

    依頼から納品までの流れ

    段階

    主な内容

    費用面で確認すること

    1. 相談・ヒアリング

    目的、ターゲット、予算、時期を共有

    予算の上限と、含めたい範囲を伝える

    2. 企画提案・見積

    コンセプト、話数、出演者案、配信計画の提案

    見積の内訳、修正回数、二次利用の条件

    3. 契約

    制作範囲、納期、権利の取り決め

    支払いの時期と条件、追加費用が出る場合の扱い

    4. 制作

    脚本、キャスティング、撮影、編集

    仕様変更が出た場合の費用への影響

    5. 配信・運用・報告

    投稿、分析、改善、レポート

    運用期間と、延長する場合の費用

    制作の流れは「ショートドラマの作り方」でも工程ごとに解説しています。

    見積を依頼する前に決めておきたいこと

    見積の精度は、依頼時の情報量で決まります。次の5点を事前にまとめておくと、制作会社ごとの比較がしやすくなります。

    • 目的:認知、好意形成、来店、購買、採用のどれを優先するか

    • ターゲット:年代だけでなく、どのSNSを、どんな時間に見ている人か

    • 配信先:TikTok、Instagram、YouTubeショート、広告、配信アプリのどれか

    • 本数と期間:単発か、シリーズか、何か月運用するか

    • 出演者の希望:起用したい人、NGの条件、二次利用の予定

    見積書で確認したいポイント

    確認する項目

    見るべき点

    含まれる範囲

    企画・脚本・撮影・編集・運用・広告のどこまでが含まれているか

    話数と尺

    1話あたりの長さ、総話数、媒体ごとの書き出し数

    修正回数

    脚本と編集の修正が何回まで含まれているか

    二次利用

    動画を使える媒体と期間、追加費用の有無

    運用とレポート

    運用期間、レポートの頻度と内容

    追加費用

    撮影日の追加、ロケ地の変更、納期の前倒しなどで費用が発生する条件

    費用を抑える方法

    • 1日の撮影で複数話をまとめて撮る

    • ロケ地の数を絞り、同じ場所で複数の場面を撮る

    • 最初は小規模で数本を試し、反応を見てから話数や出演者を増やす

    • 企業側の確認担当と回数を最初に決め、修正の手戻りを減らす

    • 広告やOOHで使う予定があれば、最初の契約で二次利用の範囲を決めておく

    費用を下げるために運用や企画を削りすぎると、作品は完成しても見られない、ということが起こります。削る場合は、撮影の効率化など、成果に直結しにくい部分から見直すのがおすすめです。

    自社で制作する場合の費用

    スマートフォンと編集アプリがあれば、外部への支払いを抑えて自社で制作することもできます。その場合も、音声を録るためのマイクや照明などの機材費、出演者への謝礼、担当者の人件費がかかります。継続して配信するには、脚本・撮影・編集・運用を担う社内の時間を確保する必要があるため、外注費と社内の工数を合わせて比べると判断しやすくなります。作り方の流れは「ショートドラマの作り方」で解説しています。

    よくある質問

    30万円台でも制作できますか?

    短尺・少人数の簡易制作であれば可能です。ただし、キャスティングや運用が含まれないことが多いため、テスト導入として位置づけ、反応を見てから本格施策に進む進め方が現実的です。

    安い制作会社を選べば問題ありませんか?

    費用だけで選ぶと、SNS上で見られる設計になっていない、運用や改善の体制がない、といった理由で成果が出にくくなることがあります。見積の内訳と、同じような目的での実績をあわせて確認してください。

    広告配信の費用は制作費に含まれますか?

    多くの場合、広告の媒体費は制作費とは別に必要です。制作会社によっては広告の運用まで一括で対応できるため、見積を依頼するときに含めるかどうかを伝えてください。

    制作期間はどのくらいかかりますか?

    企画から最初の公開まで、1〜2か月が目安です。話数、出演者の調整、企業側の確認工程によって前後します。

    費用対効果はどう測ればよいですか?

    目的に合わせて指標を決め、制作費と配信費の合計を、再生数、反応数、クリック数、購買数などで割って比べます。認知が目的なら1再生あたりの費用、購買が目的なら1件あたりの獲得費用で見ると、ほかの施策とも比較しやすくなります。

    HA-LUの料金はいくらですか?

    話数、キャスティング、運用範囲によって変わるため、目的と条件を伺ったうえでお見積をお出ししています。まずはお問い合わせからご相談ください。

    まとめ

    ショートドラマ制作の費用は、規模によって30万円台から500万円以上まで幅があります。金額差の大半はキャスティングと運用範囲から生まれます。見積を比べるときは、含まれている範囲をそろえ、制作費だけでなく配信・運用・広告まで含めた全体で費用対効果を判断してください。

    関連情報:ショートドラマ制作会社おすすめ10選/ショートドラマの作り方/HA-LUの制作実績一覧


    筆者プロフィール

    稲葉 潤(いなば じゅん)|株式会社HA-LU 取締役COO

    株式会社HA-LUの取締役COO、稲葉潤の顔写真

    2000年生まれ、埼玉県出身。青山学院大学総合文化政策学部を卒業後、大手通信系企業でプロダクトマネージャー、エンタメ系スタートアップでデザイナーを経験。2024年にショートドラマレーベル「株式会社HA-LU」を共同創業し、取締役COOに就任。現在は、縦型ショートドラマを広告コミュニケーション施策に活用するビジネスプロデュース、および都市・商業施設と連携したリアル施策を管掌し、営業部門責任者を務めています。

    ショートドラマレーベル「HA-LU」のロゴ

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