2026.10.21

    ショートドラマの企業活用事例|業界別に見るタイアップ・アカウント運用の成果

    公開日:2026年10月21日 筆者:稲葉潤(株式会社HA-LU 取締役COO)

    TikTokやInstagramのリールで配信される縦型ショートドラマを、広告やブランドコミュニケーションに使う企業が増えています。一方で、「どの業界の企業が、どんな形で取り組み、何を成果として公表しているのか」がまとまった資料は多くありません。

    本記事では、公表されている企業のショートドラマ活用事例を、自社アカウント運用型・タイアップ型・地域/イベント連動型の3つに分けて紹介し、業界別の使い方と成果の測り方を整理します。

    掲載方針:各事例の情報は2026年10月時点で、企業・制作会社の公式サイト、プレスリリース、業界メディアの報道で公表されている内容のみを掲載しています。成果の数値は公表時点のもので、現在の数値ではありません。株式会社HA-LUは筆者の所属企業で、HA-LUの事例は公式サイトとプレスリリースの記載に合わせています。

    1. ショートドラマの企業活用とは

    定義と役割

    ショートドラマの企業活用とは、1話1〜3分程度の縦型ドラマの中に、企業の商品・サービス・ブランドの価値観を組み込み、SNSで継続して配信する施策です。商品の機能を直接説明する広告動画とは異なり、登場人物の恋愛や友情、仕事の悩みといった物語の中で商品やブランドが果たす役割を描くことで、視聴者に「続きを観たい」と思ってもらいながらブランドへの好意や理解を育てます。

    広告枠に出稿する動画広告と比べると、視聴者が自分の意思で次の話を観に来る点、コメントやシェアで作品が広がる点、シリーズを通じてアカウントのフォロワーが資産として残る点が特徴です。

    市場の状況

    株式会社CARTA HOLDINGS、株式会社電通、株式会社電通デジタル、株式会社セプテーニの4社が2026年3月5日に発表した「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によると、2025年のソーシャル広告費は1兆3,067億円(前年比118.7%)でした。動画を中心としたSNS上の広告・コンテンツへの投資は拡大を続けています。

    消費者側の認知も広がっています。株式会社CREAVEと株式会社ガイアックスが2026年4月に20〜60代の273名を対象に行った自主調査では、91.6%が「ショートドラマを知っている」と回答し、約75%が視聴経験ありと回答しました。視聴媒体はTikTokが42.4%で最も多い結果です。調査対象が273名と小規模である点には注意が必要ですが、ショートドラマが若年層だけのものではなくなりつつあることがうかがえます。

    企業活用の3つの型

    公表されている事例を見ると、企業のショートドラマ活用は大きく3つの型に分けられます。

    型

    内容

    向いている目的

    本記事の事例

    自社アカウント運用型

    企業の公式アカウントで、オリジナルのショートドラマを継続配信する

    ブランド好意の醸成、若年層との継続的な接点づくり、採用広報

    NTTドコモ、パーソルホールディングス、みずほフィナンシャルグループ、ABEMA

    タイアップ型

    フォロワーを持つ既存のドラマアカウント・メディアの作品に、商品やサービスを組み込む

    新商品の認知、短期間でのリーチ確保、利用意向の向上

    コーセーコスメポート、日本航空、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、WOWOW

    地域/イベント連動型

    ドラマの舞台や出演者を、観光地・イベント・商品体験と結び付ける

    地域への来訪、イベント集客、商品サンプリング

    東京ガールズコレクション×広島市・静岡県、渋谷アオハル2.0祭、Popteen

    2. 業界別の企業活用事例一覧

    本記事で紹介する事例を、業界・型・公表されている成果で一覧にしました。各事例の詳細と出典は次章以降に記載しています。

    業界

    企業・作品

    型

    公表されている成果(時点)

    通信

    NTTドコモ(制作:GOKKO)

    自社アカウント運用型

    平均再生数250万回、フォロワー約1.8万人から約24万人、ターゲット認知率40%超(2024年)

    人材

    パーソルホールディングス

    自社アカウント運用型

    3か月でフォロワー10万人、2024年8月時点17.8万人

    金融

    みずほフィナンシャルグループ『青くていいんだ。』(HA-LUと共同運営)

    自社アカウント運用型

    全4弾・全36話の新プロジェクトを2026年4月29日から配信

    放送・配信

    ABEMA「今日々是好日」(最初の36本をHA-LUが制作)

    自社アカウント運用型

    3か月で総再生1.2億回(自社調べ)

    化粧品・日用品

    コーセーコスメポート×日本テレビ『毎日はにかむ僕たちは。』

    タイアップ型

    2本で再生630万回超、好意度120%・利用意向112%(2023年)

    航空・旅行

    日本航空(セプテーニと共同制作)

    タイアップ型

    1か月で1,000万回超、久米島便の予約が270%超増加(2024年)

    ゲーム

    ガンホー・オンライン・エンターテイメント『青春パズドラブ!』(制作:HA-LU)

    タイアップ型

    2025年6月30日にアカウント始動、渋谷の街頭ビジョンでOOH展開

    放送・配信

    WOWOW×studio15『平成みたいだ』

    タイアップ型

    開設1か月でフォロワー1.5万人、累計1,220万回超(2025年)

    地域・観光

    東京ガールズコレクション×広島市・静岡県(制作:HA-LU)

    地域/イベント連動型

    広島3部作で累計530万回超、静岡編で累計490万回超

    飲料・イベント

    渋谷アオハル2.0祭(主催:HA-LU、ゴールドスポンサー:日本コカ・コーラ)

    地域/イベント連動型

    延べ約8,000人来場、来場者のSNS投稿1,200件超(2025年)

    3. 自社アカウント運用型の事例

    自社アカウント運用型は、企業が自らドラマの「チャンネル」を持ち、毎週の配信でファンを増やしていく方法です。立ち上げから成果が出るまで数か月単位の時間がかかる一方で、フォロワーと作品が企業の資産として残ります。

    NTTドコモ:高校生の日常を描く「青春」ドラマで認知率40%超

    NTTドコモは、TikTokの公式アカウントで、高校生活の日常を描くショートドラマを週2本投稿しました。ターゲットは15〜24歳、特に高校生です。制作はショートドラマ制作会社のGOKKO(ごっこ倶楽部)が担当しています。

    項目

    内容

    施策の内容

    公式TikTokアカウントで「青春」をテーマにしたショートドラマを週2本投稿。2024年3月に投稿を開始し、4月から本格運用

    公表されている成果

    投稿動画の平均再生数250万回。投稿動画の9割以上が100万回を超え、900万回を超えた動画もある。フォロワー数は約1.8万人から約24万人に増加。ターゲットへの施策認知率は開始後約1か月で40%超(2024年4月、NTTドコモ調べ)

    出典

    NTTドコモビジネス「Business Watch」掲載記事(2024年11月)

    この事例のポイントは、ドラマの視聴数だけでなく、ターゲット層での「施策の認知率」を自社調査で測っていることです。若年層向けのブランドコミュニケーションでは、再生数とあわせて認知や好意の変化を確認する設計が参考になります。

    パーソルホールディングス:働く人の悩みを描き、3か月でフォロワー10万人

    パーソルホールディングスは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」をもとに、職場やキャリアの悩みを題材にしたショートドラマをTikTokの公式アカウントで配信しています。

    項目

    内容

    施策の内容

    2023年に公式TikTokアカウントを開設し、働く人の職場・キャリアの悩みを描くショートドラマを配信

    公表されている成果

    開設から3か月でフォロワー10万人、2024年8月時点で17.8万人。既存のテレビ施策と比べてリーチの費用効率が140倍だったと紹介

    出典

    Web担当者Forum「企業がショートドラマを活用する理由」イベントレポート(2024年9月19日)

    人材サービスのように商品を画面で見せにくい業種でも、利用者が抱える悩みを物語にすることで、ブランドの考え方を伝えられることを示した事例です。

    みずほフィナンシャルグループ:『青くていいんだ。』を1年間の群像劇として展開

    みずほフィナンシャルグループは、HA-LUと共同で、若者の挑戦を描くショートドラマ『青くていいんだ。』を展開しています。HA-LUの公式サイトでは2025年11月からの配信として掲載しています。

    項目

    内容

    施策の内容

    みずほFGのTikTok公式アカウント「青くていいんだ。」で配信し、Instagramのリール、YouTubeショートにも展開。2026年4月29日からの新プロジェクトは、4名の固定キャストを軸に四半期ごとに主役が替わる全4弾・全36話・1年間の群像劇

    公表されている成果

    プレスリリースでは配信計画(全4弾・全36話)を公表。再生数などの成果指標は非公表

    出典

    HA-LUプレスリリース(2026年4月28日)、HA-LU公式サイト トップページ

    金融業界は表現のルールが厳しく、商品を直接訴求しにくい業界です。この事例では「青さで、挑む。」という企業コミュニケーションのテーマを、挑戦する若者の物語として描いています。商品ではなく企業の姿勢を伝える使い方です。

    ABEMA:人気番組発のドラマで、3か月で総再生1.2億回

    ABEMAは、恋愛リアリティ番組「今日、好きになりました。」から生まれた縦型ショートドラマ「今日々是好日」のアカウントを開設しました。アカウント開設時の最初の36本をHA-LUが制作しています。

    項目

    内容

    施策の内容

    既存の人気番組の世界観をもとにした縦型ショートドラマをSNSで配信。アカウント開設時の最初の36本をHA-LUが制作

    公表されている成果

    3か月で総再生1.2億回(自社調べ)

    出典

    HA-LU公式サイト トップページ(実績)

    番組や作品などのIPを持つメディア企業にとって、ショートドラマは既存ファンとの接点を広げ、番組を知らない層に世界観を届ける入口になります。

    4. タイアップ型の事例

    タイアップ型は、すでにフォロワーを持つドラマアカウントやメディアの作品に、商品やサービスを登場させる方法です。アカウントを一から育てる必要がないため、短期間でリーチを確保しやすいことが特徴です。

    コーセーコスメポート:3ブランドを物語に組み込み、好意度と利用意向が上昇

    コーセーコスメポートは、日本テレビがTikTokで配信する縦型ショートドラマ『毎日はにかむ僕たちは。』(通称「まいはに」)とタイアップしました。ドラマ制作にはGOKKOが協力しています。

    項目

    内容

    施策の内容

    2023年8月、「ビオリス」「ジュレーム」「ソフティモ クリアプロ」の3ブランドの商品を物語の中に登場させるプロダクトプレースメントを実施

    公表されている成果

    ドラマ2本で再生630万回超、コメント650件超。「ビオリス」について好意度120%、利用意向112%と紹介(他の2ブランドの数値は非公表)。同時期の別施策との相乗効果もあり、POSへのつながりも見られたとコメント(数値は非公表)

    出典

    宣伝会議「アドタイ」掲載記事(2023年11月22日)

    なお、タイアップ先の『毎日はにかむ僕たちは。』は、2024年8月時点でTikTokフォロワー63.2万人、総再生10億回超と紹介されています(Web担当者Forum、2024年9月19日)。タイアップ型では、こうした配信先アカウントの規模と視聴者層が、施策の到達範囲を左右します。

    日本航空:久米島を舞台にしたドラマで、予約が270%超増加

    日本航空(JAL)は、沖縄県の久米島への旅行需要を喚起するため、久米島を舞台にしたPRショートドラマを配信しました。Web担当者Forumのイベントレポートでは、セプテーニがJALと共同制作したショートドラマとして紹介されています。

    項目

    内容

    施策の内容

    2024年1月25日に前編、26日に後編を公開。配信アカウントのフォロワーは約45万人(2024年8月時点)。沖縄・離島への旅行キャンペーンと連動

    公表されている成果

    公開から1か月で総再生1,000万回超、コメント2,700件超。連動キャンペーンの応募数は他の地方路線キャンペーンの2倍。公開前後で久米島便の予約が270%超増加

    出典

    Web担当者Forum「企業がショートドラマを活用する理由」イベントレポート(2024年9月19日)

    再生数だけでなく、キャンペーン応募数と路線の予約数という事業の数値まで公表されている点で、ショートドラマの効果検証の参考になる事例です。

    ガンホー・オンライン・エンターテイメント:ゲームIPを高校生の青春ドラマに

    ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、HA-LUと組み、パズルRPG「パズル&ドラゴンズ」を題材にしたショートドラマ『青春パズドラブ!』を展開しました。

    項目

    内容

    施策の内容

    架空の高校に通う6人の青春群像劇の中に「パズドラ」の要素を盛り込んだショートドラマ。2025年6月30日にアカウントが始動し、TikTokで週2回の公開を予定(開始時の発表)。Instagram・YouTubeでも配信予定と発表

    公表されている成果

    渋谷MODI 集英社ビジョン、SHIBUYA109 CocoSpotビジョンなど渋谷の街頭ビジョンでアカウントのOOH広告を展開(HA-LU 渋谷アオハル2.0祭 開催レポート)。再生数・ダウンロード数は非公表

    出典

    HA-LUプレスリリース(2025年6月30日、ASCII STARTUP掲載)、HA-LU 渋谷アオハル2.0祭 開催レポート(2025年9月30日)

    ゲームの機能説明ではなく、ゲームが友人同士の会話や思い出のきっかけになる場面を描いた事例です。SNSのシリーズ配信と街頭広告を組み合わせ、作品を知る接点を増やしています。

    WOWOW:「平成レトロ」の男子校ドラマで1か月に1,220万回

    WOWOWは、studio15との共同プロジェクトとして、平成初期の文化と男子校ドラマを組み合わせたショートドラマ『平成みたいだ』をSNSで展開しました。

    項目

    内容

    施策の内容

    2025年7月18日にアカウントを開設し、TikTok・Instagram・YouTube・X・LINE VOOMで配信。Z世代の若手クリエイターが制作

    公表されている成果

    開設から1か月でフォロワー1.5万人、累計再生1,220万回超

    出典

    studio15プレスリリース(2025年9月3日)

    参考:制作手法の事例(サイバーエージェント×DoFull)

    サイバーエージェントは2025年10月8日、TikTokアカウント「ミッドナイトチケット」を運営するDoFullとの共同制作プロジェクトを発表しました。同社のAIスタジオで、生成AIで作った背景をLEDウォールに映して撮影したショートドラマ「免許返納、いつがいいと思いますか?」は、公開1週間でSNSの累計再生2,000万回を超えたと公表されています(2025年9月末時点。X 732万回、Instagram 802万回、YouTube 509万回、TikTok 290万回)。タイアップ広告の制作期間や費用を抑える手法として注目されます。

    5. 地域/イベント連動型の事例

    地域/イベント連動型は、ドラマの舞台や出演者を、実際に訪れられる場所や参加できる体験と結び付ける方法です。SNSでの視聴を、来訪や商品体験といったオフラインの行動につなげることを目指します。

    東京ガールズコレクション×広島市・静岡県:地域の風景を舞台にした恋愛・友情ドラマ

    HA-LUは、東京ガールズコレクション実行委員会と連携し、広島と静岡を舞台にしたショートドラマを制作しました。配信先はTGCの公式TikTok・Instagramで、地域開催イベントに向けた取り組みの一環です。

    項目

    内容

    施策の内容

    広島編は広島県・広島市の協力のもと、呉・宮島・尾道を舞台にした3部作を2025年10月3日から配信。静岡編「静岡友だより」は静岡県・静岡市の協力のもと、2026年1月8日から配信

    公表されている成果

    広島3部作はシリーズ累計530万回超(2025年10月28日発表)。静岡編は累計490万回超(2026年2月25日発表)。広島編は「ケンミンショー旅アワード2025」のクリエイティブ賞にノミネート(2026年2月25日発表)

    出典

    HA-LUプレスリリース(2025年10月28日、2026年2月25日)

    名所を紹介するのではなく、そこで過ごす登場人物の気持ちを描くことで、観光情報に「その街で過ごす時間」のイメージを重ねています。地域PRへの活用方法は、地方創生・地域PRにショートドラマ・SNSタイアップを活用するにはで詳しく解説しています。

    渋谷アオハル2.0祭:ドラマの世界を体験するフェスで商品サンプリング

    HA-LUは2025年8月16・17日に、MIYASHITA PARKを中心に「渋谷アオハル2.0祭」を主催しました。会場ではショートドラマの上映・新作発表、出演者のトーク、音楽ライブ、商品サンプリングを実施しました。

    項目

    内容

    施策の内容

    日本コカ・コーラがゴールドスポンサーとして参加し、会場で無料配布と一斉乾杯の演出を実施。三井不動産・東急不動産などが協賛し、渋谷区観光協会・渋谷未来デザインが後援

    公表されている成果

    前夜祭を含む延べ約8,000人が来場。来場者の78%が10〜20代。来場者によるSNS投稿1,200件超、メディア露出70件超(イベント全体の公表値)

    出典

    HA-LU 渋谷アオハル2.0祭 開催レポート(2025年9月30日)、HA-LUプレスリリース(日本コカ・コーラのゴールドスポンサー決定)

    Popteen:ティーン誌のモデルとドラマを組み合わせ、公開ラジオへ展開

    HA-LUは2025年8月22日、ティーン向けWebメディア「Popteen」を運営するポップティーンとの協業を発表し、第1弾としてショートドラマ「ポプるっ!」を始めました。

    項目

    内容

    施策の内容

    Popteenのモデルが出演する青春ショートドラマを共同運営。2025年11月3日の「渋谷スタートアップ文化祭」で、出演者による公開ラジオの収録とアカウントでのライブ配信を実施

    公表されている成果

    公開ラジオに関連するガチャガチャ施策を含め、3時間で約800名が参加(HA-LU公式サイト WORKS掲載)

    出典

    HA-LU・ポップティーン共同プレスリリース(2025年8月22日、ASCII STARTUP掲載)、HA-LU公式サイト WORKS「ポプるっ!公開ラジオ」

    6. 業界別に見る活用のポイント

    ここまでの事例をもとに、業界ごとの目的と向いている型を整理しました。

    業界

    主な目的

    向いている型

    事例から見える工夫

    通信・IT

    若年層の認知と好意

    自社アカウント運用型

    高校生の日常など、ターゲットの生活に近い題材を週2本ペースで継続する

    人材・採用

    企業の考え方の浸透、母集団形成

    自社アカウント運用型

    サービスそのものではなく、利用者が抱える仕事の悩みを物語にする

    金融・保険

    企業姿勢の伝達、若年層との接点

    自社アカウント運用型

    商品訴求を避け、企業メッセージを挑戦する人物の物語として描く

    化粧品・日用品

    新商品の認知、利用意向の向上

    タイアップ型

    使用シーンを物語に自然に組み込み、好意度・利用意向を調査で測る

    航空・観光・自治体

    来訪・予約

    タイアップ型、地域/イベント連動型

    旅先を舞台にし、キャンペーンや予約の数値と結び付けて評価する

    ゲーム・エンタメ

    IPの認知拡大、新規ユーザーとの接点

    タイアップ型

    IPを登場人物の会話や思い出のきっかけとして描き、OOHなどと組み合わせる

    飲料・食品

    商品体験、サンプリング

    地域/イベント連動型

    作品の世界を体験できる会場で、配布や乾杯など参加型の演出を行う

    7. 事例から見る成果の測り方

    公表されている成果を見ると、多くの事例が再生数とフォロワー数を公表しています。一方で、事業への効果まで示している事例は、目的に合わせた指標を施策前から決めています。ショートドラマの成果は、次の3段階に分けて測ると整理しやすくなります。

    段階

    主な指標

    事例での公表例

    接触

    再生数、リーチ、フォロワー数

    NTTドコモの平均再生数250万回、WOWOWの累計1,220万回超

    態度変容

    認知率、好意度、利用意向、コメント数

    NTTドコモの施策認知率40%超、コーセーコスメポートの好意度・利用意向

    行動

    キャンペーン応募、予約、来場、商品配布数

    日本航空のキャンペーン応募数2倍・予約270%超増加、渋谷アオハル2.0祭の延べ約8,000人来場

    再生数は作品への接触を示す指標で、それだけで売上や予約の増加を判断することはできません。事業の数値を確認したい場合は、専用URL・クーポン・アンケートなど、ドラマ経由の行動を識別する方法を企画段階で用意します。KPIの設計については、ショートドラマ広告とは?企業SNSマーケティングで成果を出す活用戦略とKPI設計で詳しく解説しています。

    8. 自社でショートドラマを企画する流れ

    事例を参考に自社で取り組む場合は、次の5つのステップで進めます。

    1. 目的と指標を決める:認知、好意、来訪、購買など、最優先の目的を1つ決め、接触・態度変容・行動のどの指標で評価するかを決めます。

    2. 型を選ぶ:長期的にファンを育てるなら自社アカウント運用型、短期間でリーチを確保するならタイアップ型、来訪や体験につなげるなら地域/イベント連動型を検討します。

    3. 題材と商品の役割を決める:ターゲットが共感する日常の場面を選び、その中で商品やブランドが果たす役割を決めます。

    4. 制作と配信の体制を整える:脚本・撮影・編集・投稿・コメント対応の担当、表現の確認者、投稿頻度、配信期間を決めます。

    5. 配信後に振り返る:話ごとの視聴維持率やコメントを確認し、次の話の題材や構成に反映します。

    費用の目安は、制作本数や出演者、配信までの業務範囲によって変わります。内訳と予算の考え方はショートドラマ制作費用の相場と内訳で解説しています。

    9. よくある質問

    Q1. ショートドラマはどの業界の企業でも活用できますか

    本記事で紹介したとおり、通信、人材、金融、化粧品、航空、ゲーム、地域・自治体など、さまざまな業界で公表事例があります。商品を直接見せにくい業種では、利用者の悩みや企業の姿勢を物語にする方法がとられています。業界の表現ルールがある場合は、企画段階で確認体制を決めておくことが大切です。

    Q2. 自社アカウント運用型とタイアップ型はどちらを選べばよいですか

    ブランドへの好意を長期的に育て、フォロワーを資産として残したい場合は自社アカウント運用型が向いています。新商品の発売時など、短期間で多くの人に届けたい場合は、すでに視聴者を持つアカウントとのタイアップ型が向いています。両方を組み合わせ、タイアップで認知を広げてから自社アカウントへ誘導する方法もあります。

    Q3. 成果が出るまでにどのくらいの期間がかかりますか

    公表事例では、パーソルホールディングスが開設から3か月でフォロワー10万人、WOWOWの『平成みたいだ』が開設1か月でフォロワー1.5万人と紹介されています。公表事例の多くは、数か月単位で配信を続けたうえで成果を公表しています。タイアップ型は配信先の視聴者に公開直後から届くため、日本航空の事例のように1か月単位で成果を確認できる場合があります。

    10. まとめ

    • 企業のショートドラマ活用は、自社アカウント運用型・タイアップ型・地域/イベント連動型の3つに分けられ、通信・人材・金融・化粧品・航空・ゲーム・地域など幅広い業界で公表事例があります。

    • 成果は「接触(再生数・フォロワー)」「態度変容(認知・好意・利用意向)」「行動(応募・予約・来場)」の3段階で測ると整理しやすく、事業の数値まで確認するには施策前の計測設計が必要です。

    • 商品を直接見せにくい業種でも、利用者の悩みや企業の姿勢を物語にすることで、ブランドの価値を伝えられます。

    HA-LUは、縦型ショートドラマの企画・制作から、SNSアカウント運用、OOH・イベントとの連動までをご提案しています。自社に合う活用方法を検討したい方は、HA-LUのお問い合わせフォームからご相談ください。

    出典:

    筆者プロフィール

    稲葉 潤(いなば じゅん)|株式会社HA-LU 取締役COO

    2000年生まれ、埼玉県出身。青山学院大学総合文化政策学部を卒業後、大手通信系企業でプロダクトマネージャー、エンタメ系スタートアップでデザイナーを経験。2024年にショートドラマレーベル「株式会社HA-LU」を共同創業し、取締役COOに就任。現在は、縦型ショートドラマを広告コミュニケーション施策に活用するビジネスプロデュース、および都市・商業施設と連携したリアル施策を管掌し、営業部門責任者を務めています。

    ショートドラマレーベル「HA-LU」のロゴ

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