ショートドラマを外注しようとして最初に止まるのが「いくらかかるのか」です。見積を取ると30万円台から数百万円まで幅があり、何に差があるのかが分かりにくいと感じる方も多いと思います。
この記事では、縦型ショートドラマに特化し、メディアミックスを展開する制作会社HA-LUの立場から、制作費用の相場、内訳、金額が変わる要因、そして「制作費だけで予算を組まない」ための考え方を整理します。
この記事の結論
ショートドラマ制作の費用は、小規模30万〜80万円、中規模80万〜200万円、大規模200万〜500万円以上が目安です。
金額差が最も出るのは、キャスティングと運用範囲です。
予算は制作費だけでなく、配信・運用・広告・効果測定までを含めて組むと、費用対効果を判断しやすくなります。
ショートドラマ制作費用の相場
規模 | 費用目安 | 想定する内容 |
|---|---|---|
小規模 | 30万〜80万円 | 短尺・少人数・編集中心の簡易制作。テスト導入向け |
中規模 | 80万〜200万円 | 企画・脚本・制作に加え、SNS配信設計や簡易分析を含む |
大規模 | 200万〜500万円以上 | 複数話構成、著名キャスト、広告運用連携など本格施策 |
金額はあくまで目安です。同じ「1本」でも、1分の単話か、10話前後のシリーズか、出演者が誰かによって見積は大きく変わります。
制作費用の内訳
ショートドラマの見積は、主に次の項目で構成されます。
項目 | 内容 | 金額が動く要因 |
|---|---|---|
企画・脚本 | 目的とターゲットの整理、ストーリー設計、脚本執筆 | 話数、商品の組み込み方、修正回数 |
キャスティング | 出演者の選定・交渉・出演料 | 出演者の知名度とフォロワー数、二次利用の範囲と期間 |
撮影 | 監督・カメラ・照明・音声などのスタッフ、機材、ロケ地、美術・衣装 | 撮影日数、ロケ地の数、許可が必要な場所の有無 |
編集 | カット編集、テロップ、BGM、カラー調整 | 本数、尺、媒体ごとの書き出し数 |
配信・運用 | アカウント運用、投稿設計、コメント対応、レポート | 運用期間、対応する媒体の数 |
広告・拡張施策 | 広告配信、OOH、イベント、インフルエンサー投稿 | 媒体費と施策の組み合わせ |
このうち「配信・運用」と「広告・拡張施策」は、制作会社によって見積に含まれる場合と含まれない場合があります。見積を比較するときは、金額より先に「どこまでが含まれているか」をそろえることが大切です。
金額差が大きく出る2つのポイント
キャスティング
ショートドラマでは、誰が出るかが再生数と拡散のされ方を大きく左右します。フォロワーの多いインフルエンサーやタレントを起用すると出演料は上がりますが、出演者自身の投稿による拡散も見込めます。
HA-LUでは、出演者と商材のあいだに「あえて意外性をつくる」組み合わせを考えることがあります。視聴者が「この人がこの商品に?」と感じる組み合わせは、コメント欄での会話を生み、アルゴリズム上でも届く先が広がりやすいためです。出演料の高さだけでなく、誰に、どのフィードで届くかまで含めて起用を考えると、同じ予算でも結果が変わります。
運用範囲
動画を納品して終わりにするか、配信・分析・改善まで任せるかで費用は変わります。ショートドラマは1本目で当たりが出るとは限らず、視聴維持率やコメントを見ながら2本目以降を調整していく施策です。運用まで含めると初期費用は上がりますが、改善の回数が増える分、1再生あたり、1反応あたりの費用は下がりやすくなります。
制作費だけで予算を組まない
HA-LUが提案時に必ず確認するのは「この動画で何を起こしたいか」です。認知を広げたいのか、来店や購買につなげたいのか、採用なのか。目的が違えば、制作費と配信費の配分も変わります。
例えば、みずほフィナンシャルグループとHA-LUが展開するショートドラマアカウント「青くていいんだ。」では、SNSでのシリーズ配信に加えて、大手町タワービジョンでのOOH展開や渋谷駅井の頭線改札口でのジャック広告も実施しました。第1弾「この青の途中で」はSNS総再生940万回を超えています(HA-LU公式サイト WORKS 掲載時点)。SNSで生まれた接点を、屋外広告という別の接点につなげた例です。
このように、ショートドラマを起点にOOH・広告配信・インフルエンサー施策・リアルイベントへ展開する前提で予算を組むと、制作費の妥当性も判断しやすくなります。制作費は「作品の値段」ではなく、「その後の施策全体の起点の値段」として見るのがおすすめです。広告としての活用方法は「ショートドラマ広告とは?」で解説しています。
見積を依頼する前に決めておきたいこと
見積の精度は、依頼時の情報量で決まります。次の5点を事前にまとめておくと、制作会社ごとの比較がしやすくなります。
目的:認知、好意形成、来店、購買、採用のどれを優先するか
ターゲット:年代だけでなく、どのSNSを、どんな時間に見ている人か
配信先:TikTok、Instagram、YouTubeショート、広告、配信アプリのどれか
本数と期間:単発か、シリーズか、何か月運用するか
出演者の希望:起用したい人、NGの条件、二次利用の予定
よくある質問
30万円台でも制作できますか?
短尺・少人数の簡易制作であれば可能です。ただし、キャスティングや運用が含まれないことが多いため、テスト導入として位置づけ、反応を見てから本格施策に進む進め方が現実的です。
安い制作会社を選べば問題ありませんか?
費用だけで選ぶと、SNS上で見られる設計になっていない、運用や改善の体制がない、といった理由で成果が出にくくなることがあります。見積の内訳と、同じような目的での実績をあわせて確認してください。
HA-LUの料金はいくらですか?
話数、キャスティング、運用範囲によって変わるため、目的と条件を伺ったうえでお見積をお出ししています。まずはお問い合わせからご相談ください。
まとめ
ショートドラマ制作の費用は、規模によって30万円台から500万円以上まで幅があります。金額差の大半はキャスティングと運用範囲から生まれます。見積を比べるときは、含まれている範囲をそろえ、制作費だけでなく配信・運用・広告まで含めた全体で費用対効果を判断してください。
関連情報:ショートドラマ制作会社おすすめ10選/ショートドラマの作り方/HA-LUの制作実績一覧
筆者プロフィール
稲葉 潤(いなば じゅん)|株式会社HA-LU 取締役COO
2000年生まれ、埼玉県出身。青山学院大学総合文化政策学部を卒業後、大手通信系企業でプロダクトマネージャー、エンタメ系スタートアップでデザイナーを経験。2024年にショートドラマレーベル「株式会社HA-LU」を共同創業し、取締役COOに就任。現在は、縦型ショートドラマを広告コミュニケーション施策に活用するビジネスプロデュース、および都市・商業施設と連携したリアル施策を管掌し、営業部門責任者を務めています。


