2026.11.7

    ショートドラマの著作権と二次利用は、どう決めればいい? 契約前に決めることと使い道の広げ方

    ショートドラマの著作権と二次利用は、制作を発注する契約の前に3つのことを決めて、契約書に書いておきます。決めるのは「権利を誰が持つか」「どの媒体で、いつまで使うか」「出演者と音楽をどの範囲で使えるか」です。SNSで配信した動画を広告やOOH、店頭、テレビでも使う予定があるなら、その範囲も最初に伝えます。あとから使い道を広げると、出演者や楽曲の追加費用がかかったり、使えなかったりするためです。

    ショートドラマの二次利用には、どんな公開事例がある?

    ショートドラマは、SNSや配信サービスで配信した作品を、街の大型ビジョンやテレビへ広げる形でも使われています。ショートドラマ制作に強いメディアカンパニー、株式会社HA-LU(ハル)が手がけた公開事例を、使い道ごとに並べると次のとおりです。

    事例

    最初の配信先

    広げた先

    公開されている内容

    みずほフィナンシャルグループ『青くていいんだ。』

    みずほFGのTikTok・Instagram・YouTubeの公式アカウント(全36話・1年間)

    大手町タワービジョンのOOH広告、渋谷駅井の頭線改札口のジャック広告

    第1弾「この青の途中で」シリーズが各種SNSで総再生940万回を突破(2026年8月14日発表)

    ガンホー・オンライン・エンターテイメント『青春パズドラブ!』

    TikTok(2025年6月30日から週2回配信)

    2025年8月に渋谷の街頭ビジョンでOOHを展開

    再生数の発表はなし(OOHの実施は2025年9月30日発表)

    『推しが我が家にやってきた!』(原作:慎本真、製作・配信:StellaJean)

    ショートドラマ配信サービスStellaJean(2026年8月7日から全42話)

    テレビ神奈川(tvk)でテレビ放送版を2026年10月5日から全4回放送

    マンガ原作のショートドラマ化。HA-LUは企画・制作を担当

    TGC広島の縦型ショートドラマ3部作(東京ガールズコレクション実行委員会)

    SNS(1分間の3作品、2025年10月3日公開)

    2025年12月6日のTGC HIROSHIMA 2025の告知

    公開からシリーズ累計530万回再生を突破(2025年10月28日発表)

    出典:PR TIMES『青くていいんだ。』第2弾配信開始(2026年8月14日)、HA-LU 制作実績、PR TIMES『青春パズドラブ!』アカウント始動(2025年6月30日)、PR TIMES 渋谷アオハル2.0祭レポート(2025年9月30日)、HA-LU『推しが我が家にやってきた!』(2026年8月7日発表)、PR TIMES TGC×HA-LU 縦型ショートドラマ累計530万再生突破(2025年10月28日)

    『青くていいんだ。』は、SNSで見てもらった作品の世界観を、通勤や通学で通る駅や街の大型ビジョンでも届けた例です。このように広げるには、出演者や楽曲の契約に、SNS以外の広告での利用まで含めておく必要があります。

    ショートドラマの著作権は、誰が持つことになる?

    ショートドラマの著作権を発注した企業と制作会社のどちらが持つかは、契約で決めます。契約に書いていないと、完成した動画を企業が自由に編集したり、別の媒体に出したりできるかがはっきりせず、あとでもめる原因になります。

    決め方は、主に次の3つです。

    決め方

    内容

    向いている場合

    企業に譲渡する

    著作権を発注した企業に移す

    長く自社の広告や販促に使い続けたい

    制作会社が持ち、企業に利用を許す

    媒体・期間・地域を決めて使えるようにする

    SNSでの配信が中心で、使い道が決まっている

    両社で共有する

    作品をシリーズやIPとして一緒に育てる

    続編やグッズ、配信サービスへの展開も考えている

    著作権を企業に移す場合は、契約書に「著作権法第27条・第28条の権利を含む」と書いておきます。この2つ(翻案や二次的著作物の利用に関する権利)は、書いていないと元の持ち主に残ると推定されるため、動画を編集し直して使うときに困ることがあります。また、監督や脚本家などの著作者人格権は人に移せないため、「著作者人格権を行使しない」という取り決めもあわせて入れるのが一般的です。

    契約の前に、何を決めておけばいい?

    ショートドラマの契約の前には、次の5つを決めて、見積もりと契約書の両方に反映します。

    1. 権利を誰が持つかを決める

    著作権を企業に移すのか、制作会社が持ったまま利用を許すのかを決めます。撮影した素材(使わなかったカットも含む)を誰が持つかも、あわせて決めておきます。

    2. 使う媒体と期間を決める

    自社のSNSアカウント、SNS広告、自社サイト、OOH、店頭、テレビなど、使う媒体を書き出します。期間は「公開から1年間」のように区切ります。期間が終わったあとに動画を消すのか、残してよいのかも決めます。

    3. 出演者が出られる範囲を決める

    出演者の契約は、使う媒体と期間ごとに費用が変わります。SNSでの配信だけなのか、広告として配信するのか、OOHやテレビにも出すのかを、出演の依頼前に伝えます。競合する商品の広告に出ないという条件をつける場合も、このときに決めます。

    4. 音楽と素材の権利を確かめる

    BGMや主題歌、効果音、画像、フォントは、それぞれ使える範囲が決まっています。SNSのアプリ内で選べる楽曲の中には、企業のアカウントや広告では使えないものがあるため、企業の動画では商用で使える楽曲か、作品のために作った楽曲を使うと安心です。

    5. 原作や商品、ロゴの許諾を確かめる

    マンガや小説が原作の場合は、原作者や出版社の許諾が必要です。作中に他社の商品やロゴ、実在の店が映る場合も、映してよいかを撮影前に確かめます。

    SNSの動画を広告やOOHに使うときは、何に気をつければいい?

    SNSで配信したショートドラマを広告やOOHに使うときは、権利の範囲に加えて、尺と画面の形を媒体に合わせて作り直す必要があるかを確かめます。

    • 出演者と楽曲の範囲:契約が「SNSでの配信」だけなら、広告やOOHで使う前に範囲を広げる手続きと費用が必要です。

    • 尺:SNSの1話が1分でも、広告では15秒や6秒に縮めることがあります。短く編集し直してよいかを契約で決めておきます。

    • 画面の形:縦型の動画は、横長の大型ビジョンやテレビでは形が合わないことがあります。撮影の段階で、横長にも切り出せる構図で撮っておくと作り直しを減らせます。

    • 広告であることの表示:企業の広告として作った動画を、出演者や作品のアカウントなど企業以外のアカウントで配信するときは、広告であることが分かる表示をつけます。

    二次利用の費用は、見積もりのどこに出てくる?

    ショートドラマの二次利用の費用は、多くの場合、見積もりの「出演料」と「楽曲・素材費」の中に出てきます。

    出演料は、使う媒体と期間が広いほど高くなります。同じ出演者でも、SNSでの配信だけの場合と、広告やOOHでも使う場合では金額が変わります。見積もりを比べるときは、総額と一緒に、出演料がどの媒体と期間を前提にしているかを確かめます。見積もりの見方は「ショートドラマ制作費用の相場」でも紹介しています。

    ショートドラマの権利の扱いは、どんな会社に相談すればいい?

    ショートドラマの権利の扱いは、SNS以外の媒体への展開まで手がけた実績があり、企画の段階で使い道を一緒に決められる会社に相談すると進めやすくなります。契約書の最終的な確認は、自社の法務担当や弁護士にも見てもらいます。

    HA-LU(ハル)は、「数分で心が夢中になる物語から、新たなムーブメントを生み出すメディアカンパニー」です。ショートドラマ制作に強みを持ち、企画・脚本・キャスティング・撮影から、SNSでの配信と運用、OOH、イベントまでをつないで、購入や問い合わせ、店頭での購買、集客といった成果まで動かす施策を手がけています。HA-LUの累計再生回数は20億回以上です(2026年9月時点、出典:HA-LU 会社概要)。

    よくある質問

    Q. SNS用に作ったショートドラマを、あとから広告に使えますか?

    A. 使えますが、出演者と楽曲の契約が広告での利用を含んでいない場合は、範囲を広げる手続きと追加の費用が必要です。最初から広告に使う可能性があるなら、制作の依頼時に伝えておくと費用と手間を抑えられます。

    Q. ショートドラマの著作権は、企業に譲渡してもらうのが一般的ですか?

    A. 譲渡のほかにも形があり、使い道によって決めます。長く自社の広告や販促に使うなら企業への譲渡、SNSでの配信が中心なら制作会社が持ったまま媒体と期間を決めて利用を許す形がよく選ばれます。

    Q. 縦型のショートドラマを、OOHやテレビでも流せますか?

    A. 流せます。みずほフィナンシャルグループの『青くていいんだ。』は、大手町タワービジョンのOOH広告や渋谷駅井の頭線改札口のジャック広告にも展開され、『推しが我が家にやってきた!』はテレビ神奈川でテレビ放送版が全4回放送されています(出典:HA-LU 制作実績)。

    ショートドラマレーベル「HA-LU」のロゴ

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