こんにちは
主にショートドラマ制作を営んでいる会社、株式会社HA-LUで取締役COOを務めている稲葉 潤です。
これまでは「内向き」に、事業と組織の両面を前に進めることを担当していて、会社だと副代表というポジションになります。ですが、2025年1月から、どちらかというと矛先は「外向き」に。
ざっくり言うと、これまでの「制作本数」を追うポジションから「売上目標」を達成することが自分の責任になりました。
実は自分は、正直に言うと、営業が得意な人間ではありません。1度でも自分と話したことがある人は、そんな「営業タイプ」には見えないと思います。
ですが、この1年で、HA-LUの売上規模は前年比で約5.5倍になりました。
1年前の自分が見ると、ここまで変わるとは正直あまり想像できていなかったので、年末にレポートを作っていてビックリ。僕自身、1年前の自分にこの話をしたら、たぶん「マジで?」って言ってたと思います。
実際「営業が得意じゃない側の人が、営業に行く」ってどう思いますか?
会社で経営に責任を負う立場の人からしたら「そんな人事は不安だよ!」と思うかもしれません。
でも、そんな自分が1人の経営者として、なぜ自分自身を営業へ配属させることを決意したのか。そしてこの1年で何が変わったのか。
今回は、普段のHA-LUが出しているキラキラとした印象とは裏腹に、泥臭い実務とオペレーションの話が中心です😂
ぜひ読んだあと、明日から一個でも使えるものが残ったら嬉しいです🙂
ではいこう!
目次
1年前のHA-LUは「個人営業」の会社だった
1年前のHA-LUは、とても分かりやすい構造でした。
・はるぼーが前に立つ
・はるぼーが語る
・はるぼーが売る
そして、はるぼーが持ってきた機会をコンテンツ事業部が、制作部隊として形作る。プロダクトの思想も、熱量も、すべてが一本の線で通っていたと思います。ただ同時に、その構造はかなり危うい状態でもありました。
・属人性が高い。
・再現できない。
・チームとしてスケールしない。
「これ、はるぼーが止まった瞬間に止まっちゃうな🙄」
なので、この1年は「個人が売る会社から、チームで売れる会社へ」意識的に構造を変えていくことになりました。
ただ正直に言うと、最初から「自分が営業に行こう」と決めていたわけではありません。どちらかというと「最後まで残っていた選択肢」という感覚に近いです。
当時のHA-LUは、代表のはるぼーが前線に立つことで、話は通るし、熱量もあるし、「はるぼーが言うならやろう」となる場面も多かった。
ただ、少しずつ違和感も溜まっていきました。案件が増えれば増えるほど、判断が集中する。何より「縦型ショートコンテンツ」の領域は、あまりにも案件数の絶対数が桁違いで、クライアントとの折衝負荷が高い。
意思決定が速い反面、属人性がどんどん高くなると「はるぼーがいないと成立しない構造」が、無意識のうちに前提になって、組織のスピード感が急速に悪化します。
だったら、自分が行くしかない。
営業が得意だから、ではありません。むしろ逆です。得意じゃないからこそ、「才能前提じゃない営業プロセス」を作る必要がありました。誰がやっても一定の成果が出る形にしないと、チームには残らない。
そう考え、営業部門立ち上げを決意。
営業体制は、個からチームへ
この判断が正しかったかどうかは、正直、当時は分かりませんでした。ただ一つ言えるのは、営業に行ったことで、事業の見え方が一気に変わったということです。
数字の重みも、判断の責任も、全部がダイレクトに返ってくる。逃げ場がない分、学習速度は一気に上がりました。
才能の話をやめて、量の話をする
営業を始めた最初の数ヶ月は、本当にうまくいきませんでした。商談は空振りが多く、提案は通らず「いい話ですね」で終わる。今振り返っても、かなり典型的な初期のつまずき方だったと思います。
正直、商談が終わるたびに少しだけ落ち込みました。「自分、向いてないのかな」と思うこともありましたし、はるぼーを見るたびに、「ああ、やっぱり才能が違うな」と感じていました。話し方も違うし、空気の作り方も違う。最初は、その差をそのまま受け取っていたと思います。
でも、ある時ふと、この考え方自体がズレているんじゃないか、と思いました。才能があるかどうかを語るには、前提としてやっている量が少なすぎる。
冷静に見れば、商談数も、提案件数も、単純に足りていませんでした。数回の失敗で「向いていない」と結論を出すのは、さすがに早すぎる。才能以前に、経験値が足りていないだけじゃないか、と。
そこで一度、才能の話をやめることにしました。代わりに、「どれだけやったか」だけを見る。
うまくいったかどうかよりも、
刺さったかどうかよりも、
まずは打席に立ったかどうか。
商談の質を気にする前に、商談の数を増やす。提案の完成度を悩む前に、提案の回数を増やす。とにかく量を積むことに集中しようと決めました。
この判断は、精神的にはかなり楽でした。才能の有無を考え続けるより、「今日は何件やったか」という単純な指標の方が、前に進みやすい。少なくとも、立ち止まらずに済む。
ここから、営業に対する向き合い方が少しずつ変わっていきました。
営業を根性論にしないために
量をやると決めたとき、同時に決めたことがあります。営業を、感覚と気合いの世界にしない、ということです。
営業って、放っておくとすぐ精神論になりがちです。
・もっと詰めろ
・気合が足りない
・熱量を上げろ
それも大事な場面はありますが、それだけだと再現性が残らない。チームでやるには、かなり危険だなと思っていました。
だからまず、営業を “作業” として分解しました。
そこで読んだ本が「営業プロセス“見える化”マネジメント」という本。
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1. ヨミ表で「未来」を管理する
最初にやったのが、ヨミ表の整備です。案件ごとに、フェーズ、受注確度(高/中/低)、決裁者の有無、次アクション、止まっている理由。この情報を、すべてテーブルに落としました。
これを、毎日・毎週更新します。
「今月いけそう」「たぶん決まる」といった曖昧な感覚は、使いません。全部、言語化して、可視化する。
すると、僕らがどこで詰まっているかが、かなり残酷なほど見えるようになります。確度が高いと言いながら、決裁者に一度も会っていない案件。次アクションが「検討中」のまま、2週間止まっている案件。
精神的には正直大変だったところもありますが、こうした変化によって事業としてものすごく健全になりました。
加えて、ヨミ会も毎週・定期的に実施。
ヨミ表を眺めながら、「これは本当に今月決まるのか?」「どこがボトルネックか?」を、感情抜きで整理する時間です。一人で淡々と取り組むよりも、客観視できる分、判断がブレにくくなりました。
こちらの本、すごくおすすめです!
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2. 失注を感情で処理しない
もう一つ意識したのが、失注を個人の敗北にしないことです。
案件が止まったときは、必ず理由を言語化します。
・なぜ止まったのか。
・誰の判断で止まったのか。
・構造的に無理だったのか。
・タイミングの問題だったのか。
これを毎回ログとして残す。
すると、「同じ理由で止まっている案件」が浮かび上がってきます。提案の問題なのか、そもそも与件の作り方なのか、決裁フローに最初から無理があったのか。
営業は「センスの勝負ではなく、構造を直す仕事」だと、ここでかなり腹落ちしました。
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3. 分業と役割分担で、効率を高める
僕らは、平均年齢25.6歳の会社。コネもネットワークもなかった僕らは、広告業界では新参者です。待っていても問い合わせが来るフェーズではない中で「どう効率を上げるか」はかなり重要でした。
分業体制に基づいて、検討
そこでやったのが、営業の分業です。
営業がすべてを抱えない。営業は「売ること」と「判断すること」に集中する。
資料作成は、社内のデザイナーやプランナーと役割分担し、得意と不得意を分業する。企画や構成も、ある程度テンプレート化して、ベルトコンベア式に流す。
営業が「資料を作る人」にならないようにすることで、打席数を落とさずに済みました。
結果、売上は5.5倍に
こうしたオペレーションを回し続けた結果、数字にも明確な変化が出てきました。詳細な金額は伏せますが、売上規模は前年対比で約5.5倍。提案数、受注数ともに、波打たずに安定して積み上がるようになりました。
正直なところ、最初からこの数字を狙っていたわけではありません。
「とにかく量を積める状態を作ろう」「営業を属人化させない形にしよう」。そのためにやってきたことの結果として、後から数字がついてきた、という感覚に近いです。
一番大きかった変化は、営業の見え方が変わったことでした。以前は、誰が前に立つか、誰が話すか、に成果が強く紐づいていました。良く言えば分かりやすい。でも、その分リスクも大きい。
今は、誰か一人が抜けても、すぐに止まることはありません。ヨミ表を見れば状況が分かる。どこが詰まっているかも共有されている。次に何を打つかを、チームで判断できる。
「はるぼーが売る会社」から、「チームで売れる会社」へ。この変化が、売上の伸び以上に大きかったと思います。
もちろん、まだ完璧ではありません。
詰まることもあるし、ヨミを違えることもある。でも、原因を構造として捉え、次に活かせる状態にはなっている分、2026年度もスプリントをガンガン回していきたいと思っています。
年末には「HA-LUアワード」を開催
発表の様子
少し話は変わりますが、HA-LUは今年はじめて年末の社内イベントにて「HA-LUアワード」を開催しました。
これは、売上の話でも、数字の話でもありません。この1年、HA-LUという組織がどんな価値観で進んできたのかを、ちゃんと形にして残したかった、というのが一番の理由です。
2025年のHA-LUアワードは、全部で5部門です。
🏆 石ころからスターへ賞(MVP)
最もHA-LUの価値観を体現した人。
受賞者は、隼太郎。
最初から何でもできたわけではない。
むしろ、試行錯誤の連続だったと思います。
でも、量をやめなかった。
行動を止めなかった。
気づいたら、誰よりも前に出ていた。
賞品は、"中古の" iPad。派手ではないけれど、「これからもっとアウトプットしていこう」という意味を込めました。
フルスイングクリエイティブ賞
フルスイングにコンテンツ制作と向き合った人。
受賞者は、翔平。
「それ、本当にやる?」と言われるような選択を、ちゃんとやり切った。結果がどうこうというより、非常識な一歩を踏み出したこと自体を評価したかった。
賞品は、映画3回無料券。
「映像を見て、ちゃんと勉強してね」というメッセージ付きです。
愛と革新賞
チームの空気を良くし、文化を作った人。
受賞者は、やまと。
前に出るタイプではないけれど、いるだけで場が整う。誰かが困っていると、自然と手を差し伸べる。こういう存在がいないと、組織は意外と簡単に崩れます。
賞品は、お食事券5,000円分。
「会社の人とご飯に行ってね」という意味を込めました。
裏MVP(縁の下の力持ち)賞
目立たないけど、いないと詰む人。
受賞者は、かれん。
表には出ないけれど、実務も、調整も、ケアも、気づけば全部支えてくれている。
賞品は、家族を誘って使えるお食事券20,000円分。
「写真付きで報告してね」というのも、ちゃんとセットです。
次世代スター賞(若手/新人)
来年、最も伸びそうな人。
受賞者は、たけ。
まだ荒削りだけど、伸び代しかない。来年どうなるか、一番楽しみな存在です。
賞品は、3,000円のボールペン。
「これで、たくさん書いてほしい」という意味を込めました。
なぜこのアワードをやったのか
このアワードでやりたかったのは、成果のランキングではありません。誰が一番売ったか、誰が一番目立ったか、そういう話をしたかったわけでもない。
一番やりたかったのは、「HA-LUは、何を大事にしている組織なのか」を、全員であらためて確認することでした。
この1年、HA-LUの売上は大きく伸びました。
体制も変わり、営業の形も変わり、チームとして前に進める感覚も出てきた。でも、その理由を「誰かの才能」や「一部の頑張り」に回収してしまうと、たぶん次に続かないと思ったんです。
実際に起きていたのは、派手じゃない行動の積み重ねでした。
量をやめなかった人。うまくいかなくても手を止めなかった人。目立たないところで、チームが回るように支えてくれていた人。非常識に見える選択を、ちゃんと引き受けた人。
そういう行動が重なった結果として、今の状態があります。
だから、「何を評価する組織なのか」を、言葉ではなく、形で示したかった。アワードという形を取ったのは、その方が分かりやすいし、あとから振り返れると思ったからです。
この1年を振り返ったときに、「売上が何倍になったか」だけじゃなく、「どんな行動が評価されていたか」が残っている状態にしたかった。
売上が伸びた理由は、個人の才能ではありません。こういう価値観が、日々の判断や行動の中で積み重なった結果だと思っています。
だからこのアワードは、過去を称えるためだけのものではなく、次の1年に向けた、基準の共有でもありました。
2026年、組織に感じていること
最近、メンバーとの1on1でよく話しているのが、「HA-LUの中で、何かで1番になろう」という話です。
分野は問いません。リード獲得数でもいいし、提案件数でもいいし、プロジェクト進行数でもいい。
誰が見ても分かる指標で、ちゃんと1番を取りにいく。
これは、競争を煽りたいわけではありません。「HA-LUは何で勝ちにいくのか」を、本人が言語化できる状態を作りたい、という意図です。
クリエイティブの世界は、どうしても評価が曖昧になりがちです。頑張っているように見える、忙しそうにしている、声が大きい。そういう要素に引っ張られると、基準がぶれてしまう。
だからこそ、1番だと言える指標を置く。そこに対して、量を積む。そして、まずは質よりも、努力の「量」を優先する。
2025年「量」を積み重ねた自分自身は「量を積むフェーズ」から「質を高めるフェーズ」へ、少しずつ移行していくつもりです。その一方で、次の世代が思い切って「量」を積める環境は、ちゃんと作り切りたい。
誰か一人が背負い続けるオペレーションではなく、誰が入っても、一定の打席に立てる環境へ。よりチームを、属人化させない。
そして2026年も「若い心」を持ちつづけて、若者の力を証明しつづける。
それが、来年に向けての、大きな抱負です。
さいごに
最後に、少しだけお知らせをさせてください。
本日、HA-LUにて、カンパニーデックを公開しました!
実は、コーポレートサイト( https://ha-lu.jp/ )は、更新が中々できていなくて😂 最新のHA-LUを知ってもらえる場所をつくりたい、そんな思いから、この度「カンパニーデック」を公開することになりました👏
全47ページです👏
今の「HA-LU」を知ってもらえる内容ばかりです!ぜひカンパニーデックへ訪れてくれると嬉しいです。
そして、HA-LUでは現在、ビジネスプロデューサー(BP)を募集しています!とはいえ、「営業が得意な人」や「最初から結果を出せる人」を探しているわけではありません。
どちらかというと、
・まだ自分の勝ち方が定まっていない人
・試行錯誤しながらでも、前に進もうとする人
・感覚だけじゃなく、構造として物事を考えたい人
HA-LUの掲げるValueである「石ころからスターに」に込められているように、若い人でも「自分はまだまだ道半ばだな」と感じている人ほど、実はフィットする余地がある組織だ、そう感じています。
そういう人と、一緒に事業を作れたらいいなと思っています。
もしどこか琴線に引っかかる部分があったら、ぜひお話しましょう!WantedlyやDMからお待ちしております🙆
www.wantedly.com 次世代の映像ビジネスを手がける、法人営業 / ビジネスプロデューサー募集! - 株式会社HA-LUの法人営業の採用 - Wantedly 募集要項をみる
おわりに
2025年の1年間を振り返ってみて、やっぱり一番しっくり来るのは、この言葉でした。
量は、才能に勝る。
何かを成し遂げた、という感覚は正直まだありません。むしろ「やっと入口に立ったかもしれない」くらいです。
ですが1年経って、この成果を出せたのはHA-LUのメンバーだけではなく、株主やサポートいただいた皆さんのおかげ。本当にありがとうございます!
2025年、ありがとうございました!
営業が得意じゃない自分でも、迷いながらでも、うまくいかない時期が続いても、量をやめなければ景色はちゃんと変わる。この1年はそれを淡々と体感した時間でした。
2026年は、このやり方をもう少し広げていきたいと思っています!
誰か一人が頑張り続ける状態ではなく、量を積める人が増えて、そこから自然と質が立ち上がってくる状態を作る。まだ途中ですし、正解かどうかも分かりません。でも、立ち止まらずには進めている気がしています。
また来年、「ああ、あの時はこうだったな」と振り返れるように。これからも若者の感性を磨き上げて、やっていきます。
改めて、2025年 お世話になった皆さま、大変ありがとうございました!2026年のHA-LUも、どうぞよろしくお願いします!








