SNSなどで投稿されている縦型ショートドラマ動画が人気です。1分前後という短尺でありながら、ドラマチックでテンポ感のある展開が「タイパ」を好む若者層に好まれているようです。企業もこうしたトレンドに注目し、広告やマーケティングツールとして活用するケースが増えています。縦型ショートドラマの特徴や将来性、企業の活用事例など、幅広く紹介したいと思います。
- 縦型ショートドラマとは
- 縦型ショートドラマの特徴・魅力
- 縦型はスマホ視聴に最適な動画
- 縦型ショートドラマとは?
- 市場拡大・流行の背景
- 縦型動画の広がり
- 縦型ショートドラマが支持・流行される理由
- 急速な内容展開
- 誰もが“経験あり”な題材
- 市場拡大とテレビ局・企業の参入
- スキマ時間×スマホ視聴文化
- ショートドラマのメリット・デメリット
- バズるショートドラマの作り方
- 制作の特徴とスピード感
- 若者の変化とショートドラマ
- 83%のZ世代「ショートドラマをきっかけに知った」
- Z世代とタイパ志向/視聴行動の変化
- Z世代における“長時間”の集中力低下
- 今後のショートドラマ市場動向
- ショートドラマの今後
- 企業・自治体によるショートドラマ活用
- ショートドラマとは?企業で注目される理由
- ショートドラマ型広告とは?
- ショートドラマ型広告が人気の理由
- 企業がショートドラマを活用するメリット
- 事例紹介/成功事例(NTTドコモ・JAL・カルビー・モンスト・Canva・鳥取県など)
- 課題解決型ショートドラマの特徴
- プロダクトプレイスメントの効果
- ショートドラマ制作会社とは
- 制作費用と外注のメリット
- どんなことをやってくれる?
- SNS活用・配信・運用までの支援
- 費用相場/制作費の目安
- 制作会社を選ぶポイント
- 制作会社を選ぶポイント/チェック項目
- おすすめ(代表的)制作会社一覧
- 制作の流れ/依頼ステップ
- 依頼から納品までの流れ
- SNS運用/配信・効果測定
- 広告効果を測定する方法
- タイアップを成功させるポイント
- 筆者プロフィール
縦型ショートドラマとは
縦型ショートドラマの特徴・魅力
TikTokやInstagramリール、YouTubeショートなどのSNSで「縦型ショートドラマ」が注目されています。
スマートフォンでの視聴に最適化されたこの新しいコンテンツの特徴は、スマホを縦に持ったまま画面いっぱいに広がる点にあります。このため、視聴者は従来の横型動画にはない、高い「没入感」が得られます。
また、1話あたり1分から数分程度という「短尺映像」のため、「スキマ時間」での視聴を可能にし、現代の視聴者のライフスタイルに適しています。
とはいえ、単なる「切り抜き動画」とは違い、短い時間の中にも「起承転結」や感情の起伏、続きが気になる展開が詰め込まれた「ショートドラマ」ならではの物語性が、視聴者を強く引き付けます。
キャスティングにおいても、既存の俳優だけでなく、SNSで強い影響力を持つ「インフルエンサー」が起用されることが多く、彼らのファンユーザーが初期の視聴者層となって作品の認知度を急速に高めます。
従来のドラマと最も違うのは、SNSプラットフォームが持つ爆発的な「拡散力」を最大限に活用できることです。視聴者が「面白い」「感動した」と感じた作品は、「いいね!」が押されたり、シェアされたり、コメントが付いたりして瞬く間に拡散され、短期間で多くの人にリーチできる可能性があります。
縦型はスマホ視聴に最適な動画
日常的に触れるSNS動画は、そのほとんどがスマホ視聴を前提に作られているため、縦型動画フォーマットはまさに最適解と言えます。
私たちがスマートフォンを手にするとき、その向きは「縦」が自然です。従来の横型動画を全画面で楽しむには端末を90度傾ける必要がありましたが、縦型動画はその手間を省けます。
ちなみにこうしたトレンドをつくったのはTikTokでした。その成功を受けてYouTubeショートやInstagramリールといった主要なプラットフォームも縦型動画を標準フォーマットとして採用しています。
縦型動画はスマホ画面全体を占有できるので、視聴者はコンテンツに対してとても高い没入感を得られます。指一本で次々と動画をスワイプしていくシームレスな操作感も、縦型フォーマットだからこそ実現した快適な視聴体験です。
このように、縦型動画は私たちのスマートフォンの使い方と完全に一致しており、現代のSNS動画における最も合理的で最適な形となっています。
縦型ならではの没入感をさらに高めるため、最近では「POV」と呼ばれるタイプの動画も注目されています。POVは「point of view(ポイント・オブ・ビュー)」の略で、直訳すると「視点、見方」という意味ですが、映像の世界では「一人称視点」「主観ショット」を指します。弊社(株式会社HA-LU)でも多用していて、出演者の一人にカメラ付きヘルメットをかぶってもらい、その出演者の視点から見える「世界」を作品にするという制作方法です。これにより、没入感はさらに高められ、視聴者は作品の中に入り込んだような感覚を味わうことができます。
縦型ショートドラマとは?
縦型ショートドラマは名前の通り、スマホの縦画面で視聴することに最適化された、1話あたり1分から数分程度の短尺ドラマコンテンツのことです。
TikTokやYouTubeショートなどのSNSで広まった形式ですが、現在ではその人気を受けて専門の配信プラットフォームが次々と登場しています。
その代表格が「ショードラマアプリ」と呼ばれる専用アプリです。特にグローバルで急速にユーザーを増やしている「ReelShort(リールショート)」は、「中毒性」の高いストーリー展開で人気を博しています。
ほかにも、世界中の良質な短編映画を集めた「SAMANSA(サマンサ)」や、NTTドコモが提供し、オリジナル作品も配信する「Lemino(レミノ)」など、多様なサービスが縦型ショートドラマや短編映像の配信に力を入れています。
これらのサービスは、作品を収益化するための「課金モデル」です。ReelShortのように、最初の数話は無料で視聴させ、続きの「気になる」エピソードからは1話ごとに課金(または広告視聴)を求める「ペイ・パー・エピソード方式」を採用するアプリも多く、従来の「月額見放題モデル」とは異なる市場を形成しています。
市場拡大・流行の背景
縦型動画の広がり
スマホの普及は動画視聴のスタイルを根本から変えました。かつては横型が当たり前だった動画フォーマットですが、今や多くの人々がスマホを縦に持ったまま、TikTokやInstagramリール、YouTubeショートなどで日々コンテンツを消費しています。
縦型動画の広がりは、単なる一時的な流行ではありません。コンテンツの作り方、ストーリーテリングの手法、そして視聴者の没入感のすべてを再定義する「エンタメ新潮流」と呼ぶべき大きな変化と言えます。
短尺でテンポが良く、画面いっぱいに広がる縦型動画は、SNSの枠を超えて広告やドラマ、教育コンテンツにまで急速に浸透しており、現代のデジタルコミュニケーションにおける主要な表現方法の一つとなっています。
縦型ショートドラマが支持・流行される理由
ショートドラマがZ世代(ジェネレーションZ世代、1995年以降生まれの人たち)を中心に爆発的な人気を集め、支持される理由は、現代のライフスタイルと視聴環境に完璧にマッチしている点にあります。
最大の要因は、現代人が重視する「タイパ(タイムパフォーマンス)」の良さです。スマホ視聴が主流となる中、1話が1分から数分程度で完結するので、通勤中や休憩時間といった「スキマ時間」で手軽に楽しめるのも魅力です。
また、短い時間の中にも、視聴者の心をつかむ要素が凝縮されています。テンポの良い展開、「中毒性」の高いストーリー、そして「続きが気になる」と思わせる巧みなクリフハンガー(引き)が多用されており、次々とエピソードを視聴したくなります。
さらに、TikTokやYouTubeショート、InstagramリールといったSNSプラットフォームと親和性が高い点もポイントです。視聴者の共感を呼ぶ作品は、「いいね!」や、シェアを通じて高い「拡散力」を持ち、瞬く間に「バズる」現象を生み出します。
つまり、ショートドラマは「手軽さ」「濃密なストーリー」「SNSでの拡散性」を兼ね備えている点が、新しいエンタメの形として人々の心をつかんでいる背景にあります。
急速な内容展開
すでに触れましたが、縦型ショートドラマが人気を博している理由の一つが「急速な内容展開」です。これまでのドラマのようにゆっくりと伏線を張るのではなく、1話1分から数分という短尺の中で、視聴者の感情を揺さぶる出来事が次々と発生します。
テンポの良さは、特に若い人たちが重視するタイパのニーズに応えています。スマホ視聴が主流となる中、通勤中や休憩中などの「スキマ時間」で、瞬時に物語の世界に入り込める没入感を提供します。
また、縦型ショートドラマの多くは、視聴者を飽きさせないよう中毒性の高いストーリーテリングを採用しています。
特に「続きが気になる」と思わせる巧みな「クリフハンガー」(引き)をエピソードの最後に配置することで、次の動画への視聴を強力に促します。
この急速な内容展開と視聴フックは、TikTokやYouTubeショート、InstagramリールといったSNSプラットフォームのアルゴリズムとも非常に相性がいいです。
視聴者の共感や驚きを引き出すことで、「いいね!」やコメント、シェアを誘発し、高い拡散力によって瞬く間にバズる現象を生み出します。
誰もが“経験あり”な題材
縦型ショートドラマがZ世代を中心に急速に人気を集め、支持される大きな魅力の一つに、その題材選びがあります。多くのヒット作品で描かれるのが、誰もが「経験あり」と感じるような日常的で共感を呼ぶテーマです。
例えば、職場での理不尽な上司や同僚との「あるある」な人間関係、恋愛におけるすれ違いや「胸キュン」する瞬間、友人とのささいなトラブルなど、視聴者が「これ、自分のことかも」「わかる!」と思わず感じてしまう身近なエピソードが多用されます。
この共感こそが、縦型ショートドラマの特徴であり、視聴者を引き込むフックとなっています。スマホ視聴を前提とした1話1分から数分程度の短尺フォーマットの中で、視聴者はスキマ時間に自らの経験を重ね合わせ、瞬時に物語の世界へ没入できます。これはタイパを重視する現代の視聴者ニーズに応えています。
共感するテーマ、で言うと、例えば弊社(株式会社HA-LU)が制作した作品で、「3人組の苦悩」というものがあります。十代女性向けウェブマガジン「Popteen」と弊社が共同運営するSNSアカウント「ポプるっ!」で配信中ですが、Popteen専属モデルの向井怜衣さん、土屋惺来さん、谷田ラナさんが演じる仲良し3人組が、一時2人組と1人で距離が空いてしまい、一人残された女性が悶々とするという内容です。こうした状況は実際にもあり得るケースとして共感を呼び、再生回数だけでなく、多くの「いいね!」やコメントをもらいました。
さらに、共感を呼ぶ内容は、TikTokやYouTubeショート、InstagramリールといったSNSプラットフォーム上で非常に高い拡散力を持ち、バズるきっかけとなります。視聴者はコメント欄で「私も同じ経験がある」と語り合い、それが更なる人気を生み出します。
「続きが気になる」巧みな展開と相まって、この高い共感性が、縦型ショートドラマの中毒性と魅力を支える大きな理由となっています。
市場拡大とテレビ局・企業の参入
縦型ショートドラマはビジネス的にも急速に市場が拡大しており、感度の高い企業やテレビ局が相次いで参入しています。
当初はTikTokやYouTubeショート、InstagramリールといったSNSプラットフォーム上でのコンテンツが中心でしたが、その高い拡散力と視聴者の没入感が注目され、効果的な広告やマーケティングの手法として活用する企業が増えました。
さらに、ReelShortのようなショードラマアプリが課金モデルで成功を収めたことで、縦型ショートドラマは収益化(マネタイズ)が可能なビジネスとして確立されました。
こうした市場拡大に伴い、日本の大手テレビ局や大手の制作会社も本格的に参入を始めました。地上波ドラマのスピンオフを縦型ショートドラマとして配信したり、「BUMP(バンプ)」のような国内発の優良なショードラマアプリが登場したりと、コンテンツの質は日々向上しています。
縦型ショートドラマはタイパを重視する現代の視聴者ニーズをとらえただけでなく、新たなIP(知的財産)を生み出す土壌としても期待されています。この巨大市場の魅力に気づいた企業やテレビ局の参入は、今後さらに加速していくことは間違いないでしょう。
スキマ時間×スマホ視聴文化
縦型ショートドラマ人気の背景には、「スマホ視聴文化」のほか、スキマ時間を有効活用したいというニーズが世の中で高まっていることがあります。
Z世代を中心に、エンターテインメントはスマホ視聴によって「消費」されるのが主流です。私たちは日常的にスマホを縦に持って操作しており、縦型動画である縦型ショートドラマは、端末を持ち替えるストレスなく、画面いっぱいに広がる圧倒的な没入感を提供します。この「スマホファースト」の設計こそが、人気の基盤となっています。
さらに、多くの視聴者はタイパをとても重視します。通勤・通学中、休憩時間、寝る前のちょっとしたスキマ時間を有効に使いたいという欲求が強くあります。縦型ショートドラマは、1話が1分から数分程度という短尺で構成されているため、まさにこのスキマ時間で手軽に視聴し、満足感を得るのに最適です。
テンポが良いストーリー展開と中毒性のある内容は、短いスキマ時間でも視聴者を引き込みます。この手軽さと没入感の両立こそがスマホ視聴文化の核であり、TikTokやYouTubeショート、InstagramリールといったSNSでの高い拡散力にも繋がっています。縦型ショートドラマは、スキマ時間を最も豊かにする、現代のライフスタイルが生み出した必然の人気コンテンツなのです。
ショートドラマのメリット・デメリット
視聴者にとって、ショートドラマのメリットはすでに述べたとおり、タイパのよさや、SNSに後押しされた拡散力です。企業にとっては高いマーケティング効果や広告効果も期待できます。
一方でデメリットもあります。例えば短尺という特徴はタイパから考えればメリットですが、ストーリーが表面的、定型的になりがちで、複雑な人間描写や重厚な物語を表現しにくい可能性もあります。「続きが気になる」という中毒性も、裏を返せば意図せず時間を浪費してしまうかもしれません。
また、制作者側にとっては、市場への参入が相次ぐ中でほかの作品との差別化が難しくなっていることや、収益化のモデルがまだ発展途上である点も課題です。
バズるショートドラマの作り方
バズるショートドラマの作り方には、いくつかの重要な法則が存在します。人気を集め、TikTokやYouTubeショートでバズるコンテンツを制作するには、SNSの特性を深く理解した戦略が不可欠です。
まず最も重要なのは、視聴者の共感を呼ぶテーマ設定です。Z世代などターゲット層の「あるある」な日常や人間関係、恋愛の悩みを切り取り、短時間で感情を揺さぶるストーリーに落とし込みます。
次に、短尺であることを最大限に活かしたテンポの良い展開です。1話1分程度の中で、視聴者を飽きさせず、瞬時に物語に没入させる必要があります。特に、エピソードの最後で「続きが気になる」と思わせるクリフハンガーは、次の視聴を促す強力なフックとなります。
また、キャスティングもバズるための重要な鍵です。既に多くのフォロワーを持つインフルエンサーを起用することは、配信初期の段階で作品の認知度を急速に高めます。つまり、彼らのファンコミュニティーを通じた拡散が期待できます。
SNSのアルゴリズムを意識し、拡散力を最大化する仕掛けも大切です。視聴者が思わず「いいね!」を押したり、コメントやシェアをしたくなったりするような、衝撃の展開や問いかけを盛り込むことで、プラットフォーム上での露出を増やします。
弊社(株式会社HA-LU)の例では、SNSアカウント「ポプるっ!」をポップティーン社と共同運営し、同社の十代女性向け女性メディア「Popteen」の専属モデルらを起用しています。若者のアイコン的な存在である彼女たちが演じる「あるある」エピソードは、若者ユーザーの共感を集めています。
まとめると、共感を呼ぶテーマ設定やテンポのいい構成作り、拡散力を意識したキャスティング、SNSの配信戦略を組み合わせることが、バズるショートドラマの作り方のポイントと言えます。
制作の特徴とスピード感
縦型ショートドラマ制作の特徴は、従来のドラマや映画とは比べものにならない圧倒的な「スピード感」です。これにより、急速に変化する流行や市場のトレンドをとらえることができ、その結果、人気が集まる結果につながっています。
従来の映像制作が大がかりな機材や大人数のスタッフを必要とするのに対し、縦型ショートドラマはスマホ撮影や少人数のクルーでも高品質な作品を生み出すことができます。そのため企画から撮影、編集、配信までのサイクルを短期間で回すことができ、制作コストも比較的低く抑えられます。
こうしたスピード感は、TikTokやYouTubeショートといったSNSプラットフォームの特性ともマッチしています。視聴者のタイパ意識は高く、日々膨大なコンテンツが消費されるため、制作側はスピーディーに新作を供給し続けなければなりません。
また、縦型ショートドラマの制作では、配信後の視聴者データ(いいね、コメント、視聴維持率)を即座に分析し、次のエピソードや新作に反映させるPDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルが非常に高速です。機動的な制作体制とスピード感こそが、縦型ショートドラマがエンタメ新潮流として市場を席巻している大きな理由です。

ショートドラマを撮影をする株式会社HA-LUのメンバーら=2025年9月、広島・宮島の厳島神社
若者の変化とショートドラマ
83%のZ世代「ショートドラマをきっかけに知った」
ショートドラマはとりわけ若者の間で人気があります。シンクタンク「Z総研」によるZ世代を対象とした意識調査はそれを裏付ける結果となりました。
「TikTokを1日1~3時間程度見ている」と答えた人は50.2%、「TikTokのショートドラマ広告にポジティブな印象を持っている」「TikTokのショートドラマ広告がきっかけで商品の購入やサービスを利用したことがある」と回答した人は、それぞれ85%、43%だったといいます。ショートドラマが若い世代に絶大な影響力を持っているということが浮き彫りになりました。

Z世代とタイパ志向/視聴行動の変化
Z世代を中心とした若者の動画視聴行動は、上の世代とは違って徹底したタイパ志向です。時間を無駄にすることを極端に嫌い、情報を効率よく得ようとするので、例えばYouTubeなどの動画を「倍速視聴」することもあります。
また、彼らの生活はスマホと密接に結びついており、通勤・通学中、休憩中、寝る前といったスキマ時間をSNSや動画視聴に充てています。
タイパを重視し、スキマ時間を最大限活用するZ世代の視聴行動の変化に、ショートドラマというフォーマットは完璧に合致しました。1話1分から数分という短尺映像は倍速視聴の必要すらない高効率なエンタメであり、短いスキマ時間で満足感を得るのに最適です。
さらに、ショートドラマはタイパだけでなく、若者が強く求める共感を呼ぶ身近なテーマを扱うことが多いのも特徴です。この特性は、彼らにリーチしたい企業にとって「若年層マーケティング」の非常に有効な手法となっており、ショートドラマがZ世代の変化を的確に捉えたエンターテインメントであることを示しています。
Z世代における“長時間”の集中力低下
デジタルネイティブであるZ世代は、生まれた時からスマホやインターネットが身近にある環境で育ちました。そのため普段から膨大な情報に接することができる一方、「長時間の集中力低下」が起こっているのではないかと指摘されています。
背景には、SNSやショート動画プラットフォーム(TikTokやYouTubeショートなど)の普及も大きく影響しているでしょう。これらのサービスは、ユーザーの関心を引くために、短時間で強い刺激(エンターテインメント性)を提供するように設計されています。
Z世代は、指先一つで次々と新しい情報やコンテンツへとスワイプしていくスマホ視聴文化に慣れ親しんでいます。その結果、一つの情報やコンテンツに対して長時間、継続的に注意を払い続ける忍耐力や習慣が養われにくい環境にあります。
例えば、従来の映画やテレビ番組、長文の読書といったコンテンツよりも、短時間で結論や満足感が得られるタイパのいいコンテンツを好む傾向があります。動画の倍速視聴が一般化したのも、集中力の配分や時間効率を重視するZ世代の特性の表れでしょう。
これは必ずしも集中力の能力そのものが低下したというより、集中力を発揮する対象や持続時間が、短く瞬間的なものへと最適化されたととらえるべきかもしれません。この変化は、教育や若年層マーケティングの手法にも大きな見直しを迫っています。
今後のショートドラマ市場動向
ショートドラマの今後
ショートドラマは、単なる一時的な流行(トレンド)に終わらず、主要なコンテンツジャンルとして市場がさらに拡大していく可能性があります。
その理由として、Z世代を中心としたタイパ重視の視聴スタイルが定着したことが挙げられます。このニーズがある限り、短尺コンテンツの需要は続きます。
また、市場拡大に伴い、企業やテレビ局、大手制作会社の参入がさらに加速するでしょう。これにより、現在は玉石混交の状況かもしれませんが、やがてコンテンツの「質」による差別化が進みます。より高品質で、共感を呼ぶストーリーを持つ作品が人気を集めるようになります。
収益化(マネタイズ)のモデルも多様化するでしょう。現在はショートドラマアプリでの課金や広告が中心ですが、今後はショートドラマ発の「IP(知的財産)」(長編化、グッズ化)ビジネスや、マーケティング手法としての活用がさらに一般化すると予測されます。
国内だけでなくグローバル市場への挑戦も増え、ショートドラマは今後、エンタメ新潮流の中核として、その市場をさらに広げていくでしょう。
企業・自治体によるショートドラマ活用
ショートドラマとは?企業で注目される理由
企業や自治体がショートドラマをマーケティングの新たなツールとして活用する流れが急速に広がっています。特に企業が縦型ショートドラマに注目する理由は、従来の広告手法ではアプローチが難しかったZ世代など若年層への訴求に期待が持てるからです。
消費者は昨今、広告を避ける傾向が強く、あからさまな企業プロモーションや企業PRは敬遠されがちです。しかし、ショートドラマはストーリーを通じて視聴者の共感を呼ぶため、「広告感」を抑えた訴求が可能になります。
製品やサービスを物語の中に自然に溶け込ませることで、押し付けがましさのない自然な広告として機能し、視聴者に受け入れられやすくなります。この手法は、SNSマーケティングと非常に親和性が高く、TikTokやInstagramリールでの高い拡散力も期待できます。
結果として、一時的に認知度を向上させるだけでなく、長期的なブランド訴求やブランディングにもつながる高い広告効果があるとされています。ショートドラマは、企業のデジタルPR戦略における強力なマーケティング手法として存在感を強めています。
ショートドラマ型広告とは?
ショートドラマ型広告は、その名の通り、ショートドラマのフォーマットを活用した広告手法、またはそのプロモーション動画自体を指します。
従来の広告が製品やサービスの特徴を直接的に紹介するのに対し、ショートドラマ型広告は、独立した作品として楽しめるストーリー性を重視します。
1話1分から数分程度の短尺映像の中で、Z世代などが共感できるような日常や人間関係、恋愛といったテーマを描き、その物語の中に自然な形で商品やブランドメッセージを溶け込ませます。
この手法が注目される理由は、従来の広告に抵抗感を持つ視聴者にも受け入れられやすい点にあります。あからさまな広告感が抑えられ、ストーリー性に引き込まれることで、視聴者は広告をコンテンツとして楽しみます。
これにより、非常に高い広告効果が期待できます。まず、ストーリーへの共感を通じて、紹介された商品やブランドに対しても好意的な印象(ブランディング効果)を抱きやすくなります。さらに、TikTokやYouTubeショートといったSNS上で面白いコンテンツとして拡散されやすく、幅広い層へのリーチが見込めます。
ショートドラマ型広告は、タイパを重視する現代の視聴者ニーズに応えつつ、高い広告効果を実現する、新しいマーケティング手法なのです。
ショートドラマ型広告が人気の理由
ショートドラマ型広告が人気を集めている最大の理由は、従来の広告が持つ課題を克服し、現代の視聴者に最適化されたマーケティング手法である点にあります。
従来の広告では、広告感が強すぎるとZ世代を中心とした視聴者に敬遠されがちでした。しかし、ショートドラマ型広告は、製品やサービスを直接的に売り込むのではなく、共感型ストーリーを提供することに重きを置きます。視聴者は短尺の物語に没入し、登場人物の感情や日常の「あるある」に共感することで、自然な形でブランドや商品に触れます。
この共感こそが、非常に高いエンゲージメントを生み出す源泉となっています。視聴者は広告をコンテンツとして楽しむため、「いいね!」やコメント投稿、コンテンツの保存といった能動的な反応を示しやすくなります。
タイパを重視する視聴者が多い中、彼らのスキマ時間を奪うのではなく、満足度の高い体験を提供することで、ブランドへの好意(ブランディング効果)も醸成されます。
高いエンゲージメントを獲得したショートドラマは、TikTokやInstagramリールといったSNSプラットフォーム上で、アルゴリズムによって高く評価されます。その結果、広告でありながらオーガニック(自然)な投稿と同様の、あるいはそれ以上の爆発的な拡散力を持つことができます。共感型ストーリーがエンゲージメントを生み、拡散力につながるという好循環が、ショートドラマ型広告が人気を集める理由です。
例えば、弊社(株式会社HA-LU)と株式会社みずほフィナンシャルグループ(以下みずほFG)が共同で制作するTikTokアカウント「青くていいんだ。」は、「未完成でも、失敗しても、挑戦できる自分でいたい」というメッセージを若年層(α世代、Z世代)に届けたいというみずほFGの思いが凝縮されたコンテンツになっています。
また、有限会社合田運送のTikTokアカウント向けに、弊社(同)が父と娘のハートウォーミングな関係を描いたショートドラマを制作したこともあります。娘を思う父の気持ちと、それに気づいた娘の心境の変化が感動を呼びました。
企業がショートドラマを活用するメリット
企業がショートドラマを活用するメリットは、従来の広告手法では難しかった深いレベルでの視聴者との関係構築が可能になる点にあります。
最大のメリットは、優れたストーリーテリング技術を駆使した「ストーリーマーケティング」を実践できることです。製品やサービスを直接的に売り込むのではなく、視聴者が共感できる物語(ストーリー)の中に、企業のメッセージやブランドストーリーを自然に組み込むことができます。
この共感こそが、ショートドラマ活用のポイントです。視聴者はストーリーに没入し、登場人物やシチュエーションに感情移入することで、広告感を意識することなくブランドに対してポジティブな印象を抱きます。
この共感は、「いいね!」、コメント、シェア、保存といった非常に高いエンゲージメントを生み出す原動力となります。高いエンゲージメントは、TikTokやInstagramリールといったSNSプラットフォーム上で高く評価され、爆発的な拡散、すなわち「バズ」の発生確率を高めます。
結果として、企業は広告費用を抑えながらも、Z世代をはじめとするターゲット層に効率的にリーチし、強力なブランディング効果と視聴者との深いつながりを獲得できるのです。
事例紹介/成功事例(NTTドコモ・JAL・カルビー・モンスト・Canva・鳥取県など)
縦型ショートドラマの活用は、今やエンタメ新潮流として多様な業界に広がっており、その成功事例や実績が次々と報告されています。
導入事例としてまず挙げられるのが、プラットフォーム戦略です。NTTドコモは「Lemino」を通じてオリジナルの縦型ドラマを配信し、Z世代のエンゲージメント獲得に成功しています。
大手企業のブランディング活用も活発です。JAL(日本航空)は、旅の魅力を伝える共感型ストーリーを展開し、カルビーは商品のブランドストーリーを短尺のドラマで表現するなど、広告感を抑えた訴求で実績を上げています。
デジタルサービスやゲーム業界もこの流れを牽引しています。デザインツールのCanvaは機能の活用事例をドラマ仕立てで紹介し、人気ゲーム「モンスト(モンスターストライク)」は、若年層へのマーケティングとしてショートドラマ型広告を活用しています。
この波は自治体にも及んでおり、鳥取県が観光プロモーションとしてショートドラマを制作・配信し、バズを生み出した導入事例は、地域の魅力発信の新しい手法として大きな注目を集めました。これらの成功事例は、ショートドラマが業種や目的を問わず有効なマーケティング手法であることを証明しています。
課題解決型ショートドラマの特徴
課題解決型のショートドラマは、縦型ショートドラマの中でも特に人気を集めやすいジャンルの一つです。多くの視聴者が日常で抱えている悩みや課題をテーマにすえ、それを短尺のストーリーの中で鮮やかに解決していくのが特徴です。
扱われる課題は、職場の人間関係、恋愛のすれ違い、美容やお金に関するコンプレックスや悩みなど、非常に身近で「あるある」な共感を呼ぶものが多いです。
視聴者は、課題を抱える主人公に自己を投影し、物語に強く没入します。そして、その課題が解決される展開によって、「スカッとした」という強いカタルシス(解放感)や満足感を得ることができます。
また、単に感情的な満足だけでなく、課題を解決するための具体的な「ヒント」や「ハウツー(お役立ち情報)」が盛り込まれている場合も多く、視聴者にとって実利的なメリットも提供します。
この共感と課題解決の組み合わせは、SNSとの親和性が抜群です。「役に立った」「スカッとした」という感情は、いいねやコメントだけでなく、「保存」や「シェア」といった拡散アクションを強く誘発します。
企業にとっては、自社の商品やサービスをその課題解決の手段としてストーリーに自然に組み込めるため、「広告感を抑えた訴求」が可能となり、非常に高いマーケティング効果が期待できる特徴を持っています。
プロダクトプレイスメントの効果
プロダクトプレイスメントとは、映画やドラマ、あるいはゲームといったコンテンツのストーリー(物語)の中に、特定の商品、サービス、またはブランドロゴなどを意図的に登場させる広告手法です。
その最大の「効果」は、従来のCMのように広告枠として明確に区切られていないため、広告感を抑え「自然な訴求」が可能になる点にあります。視聴者は物語に「没入」している最中にその商品に接触するため、広告として認識することなく、無意識にブランドを認知します。
さらに強力な「効果」として、ブランドへの「イメージ転移」が挙げられます。例えば、視聴者が共感している主人公や「憧れ」の登場人物がその商品を使っていると、視聴者はその商品やブランドに対しても「好感度」や「憧れ」といったポジティブな感情を抱きやすくなります。これにより、単なる「認知度」の向上だけでなく、ブランドイメージの向上(ブランディング)にも大きく寄与します。
また、その作品がDVDや配信サービスなどで視聴され続ける限り、「長期的」かつ「反復的」に広告効果が持続する点も、使い捨てになりがちなデジタル広告と比べた際の大きなメリットです。この「プロダクトプレイスメント」は、特に広告を嫌う傾向にあるZ世代に向けた縦型ショートドラマなどでも、効果的なマーケティング手法として再注目されています。
ショートドラマ制作会社とは
制作費用と外注のメリット
縦型ショートドラマを活用したマーケティングを検討されている企業担当者らにとって、制作を外注すべきか、またその費用はどれくらいかが大きな関心事でしょう。
ショートドラマ制作会社は、一般的な動画制作会社とは異なり、特にTikTokやYouTubeショートといったSNSでバズるためのノウハウに特化した専門集団です。
このような専門会社へ外注する最大のメリットは、その高度な専門性を活用できる点にあります。単に綺麗な映像制作を行うだけでなく、Z世代に「刺さる」共感ポイントの設計、短尺でも中毒性を生むストーリーテリング、SNSアルゴリズムを理解した拡散力のある構成など、成果に直結するノウハウを提供してくれます。
また、インフルエンサーのキャスティングや制作リソースの確保といった煩雑な業務も一任できるため、企業担当者は本来の業務に集中できます。
気になる制作費用は、企画内容、キャスティング(著名なインフルエンサーを起用するか否か)、撮影規模、話数などによって大きく変動します。安価なプランを提供する制作会社もありますが、広告効果を最大化するためには、費用対効果を見極めることが重要です。
自社で手探りで映像制作を行うリスクと工数を考慮すれば、ショートドラマ制作の外注は、ブランディングやプロモーションを成功に導くための有効な戦略的投資と言えるでしょう。
どんなことをやってくれる?
上述したとおり、ショートドラマ制作会社は、単に映像を作る動画制作会社とは異なり、縦型ショートドラマ特有のSNSマーケティング戦略に精通した専門家集団です。
企業がプロモーションやブランディングを目的としてショートドラマを活用する際に、その効果を最大化するための支援を行います。
具体的には、まず企画開発(プリプロダクション)が重要な役割です。企業が伝えたいメッセージやブランドストーリーをヒアリングし、それをZ世代などのターゲット層に共感され、SNSでバズるためのストーリー(脚本)に落とし込みます。
「続きが気になる」構成や広告感を抑えた訴求など、専門的なノウハウが求められる領域です。
次に、撮影・編集といった実制作(プロダクション)です。インフルエンサーや俳優のキャスティング、撮影場所の確保、スマホ視聴に最適化された短尺映像の撮影とテンポの良い編集など、質の高いコンテンツ制作全般を担います。
さらに、多くの制作会社は、制作支援に留まらず、配信戦略の策定や運用(ポストプロダクション)までサポートします。TikTokやYouTubeショート、Instagramリールなど、どのプラットフォームで、いつ配信すれば最も拡散力が生まれるかを設計し、配信後のエンゲージメント分析や広告効果のレポーティングまで行う場合もあります。
まとめると、ショートドラマ制作会社は、企画から制作、分析までをワンストップで提供し、企業の課題解決を強力にサポートするパートナーと言えます。
SNS活用・配信・運用までの支援
縦型ショートドラマを制作するメリットを最大化するには、制作(作ること)そのものだけでなく、その後のSNSの活用や配信、運用が極めて重要です。多くの専門的な制作会社は、この制作後のプロセスまでをワンストップで支援する体制を整えています。
彼らの支援は、単に動画を納品して終わりではありません。まず、企業のマーケティング目的に合わせ、TikTok、YouTubeショート、Instagramリールなど、どのSNSプラットフォームで、いつ、どのようなハッシュタグやキャプションと共に配信すれば最も効果的か、というSNS活用戦略を立案します。
さらに重要なのが運用フェーズです。配信後は、エンゲージメント(「いいね!」、コメント、保存数)や視聴維持率といったデータを詳細に分析します。この分析結果を基に、視聴者の反応をレポーティングし、何がバズの要因となったのか、あるいは何が課題であったのかを「見える化」します。
この分析結果を次の制作や配信プランに活かす(PDCAサイクル)ことで、ショートドラマを通じた企業のブランディングやプロモーションの効果を着実に高めていくことができます。制作から分析・改善まで一貫した支援こそが、ショートドラマを成功に導く鍵となります。
費用相場/制作費の目安
縦型ショートドラマの制作を外注する際に気になるのが費用の相場や制作費の目安でしょう。しかし、ショートドラマの制作費は、企画内容や求めるクオリティーによって大きく変動するため、一概に「いくら」と断言するのは困難です。
費用相場を左右する主な要因は以下の通りです。
企画・脚本(ストーリー): バズるためのオリジナルの脚本を制作するか、既存のフォーマットに当てはめるかでコストは変わります。
キャスティング: 制作費に最も大きく影響する要素の一つです。Z世代に人気の著名なインフルエンサーや俳優を起用する場合、キャスティング費用は高額になります。
撮影規模と日数: 使用する機材(シネマカメラかスマホか)、スタッフの人数、撮影日数、ロケーション(スタジオかロケ地か)によって費用は変動します。
制作本数(話数): SNSで継続的に配信するために、何話(何本)制作するかによって総額が変わります。
あえて費用相場の目安を示すとすれば、企画から撮影、編集までを含むシンプルな構成で1本あたり数十万円から可能な場合もありますが、インフルエンサーを起用し、複数話のストーリーをしっかり作り込む場合は、数百万円規模になることが一般的です。
最終的な費用相場を知るためには、自社の目的と予算を明確にした上で、複数の専門制作会社に具体的な見積もりを依頼し、その内訳を比較検討することが不可欠です。
制作会社を選ぶポイント
縦型ショートドラマの制作会社選びは、自社のサービスや商品、ブランドのプロモーションが成功するかどうかに関わる非常に重要なプロセスです。一般的な映像制作会社とは異なる、ショートドラマ特有のポイントを押さえて比較検討する必要があります。
最も重視すべき選ぶポイントは、SNSにおける実績です。単に綺麗な映像が作れるということではなく、ショートドラマをTikTokやYouTubeショートなどでバズらせた実績がどれだけあるかを確認します。
特に、自社がターゲットとする層(例:Z世代)や、類似の業界・商材での成功事例があるかは、重要な判断基準となります。
次に、複数の会社を比較する際、企画力とストーリーテリングの能力(ケイパビリティー)も大切です。広告感を抑えつつ視聴者の共感を呼び、短尺の中で「続きが気になる」と思わせる脚本・構成ノウハウを持っているかどうかが鍵となります。
また、制作して終わりではなく、SNSのアルゴリズムを理解し、拡散されやすい配信・運用まで支援してくれるかも選び方のポイントです。
これらの実績や企画力、運用支援体制をしっかり比較し、自社のマーケティング目的を真に理解してくれる制作会社を選ぶことが不可欠です。
制作会社を選ぶポイント/チェック項目
縦型ショートドラマの制作会社を選ぶ際のチェックポイントはいくつかあります。
SNSでの実績はあるか :選び方として最も重要なポイントです。単に綺麗な映像制作ができる会社ではなく、TikTokやYouTubeショートなどで実際にバズを生み出し、エンゲージメントを高めた実績があるかを確認します。自社の業界やターゲット層に近い成功事例があれば尚良いでしょう。
共感を生む企画力があるか:自社が伝えたいメッセージを、短尺の中でいかに共感を呼ぶストーリーに落とし込めるか、その企画力を比較します。広告感を抑えた訴求のノウハウを持っているかは必須のチェック項目です。
配信・運用まで支援してくれるか:制作して終わり(納品のみ)か、SNSでの配信戦略、分析、改善提案といった運用、さらには施策の分析や結果の振り返り(レポーティング)まで含めて、一貫して支援してくれるかは費用対効果に大きく影響します。
費用と体制は明確か:見積もりの内訳が明確で、制作のスピード感やコミュニケーション体制が自社と合っているかも見落とせないポイントです。
これらのチェック項目を基に、複数の会社を比較検討することが重要です。
おすすめ(代表的)制作会社一覧
1)株式会社HA-LU:次世代のクリエーターが集まり、「アオハル」をアップデートする”青春2.0”を掲げ、「学園もの」ショートドラマを得意としています。10代のユーザーに届ける企画力には定評があります。SNSでは、十代女子向けウェブメディア「Popteen」とコラボし、同メディア専属モデルらが出演するアカウント「ポプるっ!」や、高校生の学園生活の「あるある」などを描く「ハル学園」などを運営。企業タイアップも多数の実績があります。渋谷の中心部でイベント「アオハル2.0祭」を開催し、SNSの「動員」をリアルへとつなぐことにも積極的です。

ショートドラマの撮影に臨む株式会社HA-LUのメンバーら。企画の構成案(プロット)、脚本制作、キャスティング(出演者らのアサイン)、撮影(監督含む)、編集のほぼすべてを内製しているため、動画制作を丸ごと請け負うことができ、クライアントとの連携もスムーズです=2025年9月、広島・宮島の厳島神社
2)株式会社GOKKO:縦型ショートドラマのパイオニア的存在として知られ、TikTokアカウント「ごっこ倶楽部」などで圧倒的な人気と実績を誇るクリエイター集団です。企業とのタイアップ事例も豊富です。
3)nowhere film株式会社:ショートドラマ制作に特化した制作会社で、企業のブランディングやプロモーション目的のドラマ制作事例を多く手がけています。
4)株式会社プルークス:年間7,000本以上の動画制作実績を持つ大手が展開する、縦型ショートドラマ専門サービス「TATETO(タテト)」で知られています。マーケティング全体の支援に強みがあります。
5)株式会社B4B:縦型ショートドラマ制作に特化したスタジオ「シバケン」を運営。実力派の俳優陣とSNSに強いクリエイター集団がタッグを組んだ制作チームで、広告やPR向けのショートドラマを多く制作しています。
6)株式会社Lumii:SNS動画制作全般に強く、縦型ショートドラマの制作においても、企画からSNS運用までワンストップで支援しています。
7)株式会社CLANG:TikTokで人気のショートドラマチャンネル「深夜劇場」を運営するなど、自社コンテンツでの実績も持ち、そのノウハウを活かした企業向け制作も行っています。
制作の流れ/依頼ステップ
依頼から納品までの流れ
縦型ショートドラマの制作を専門の制作会社に依頼する場合、「制作の流れ」はスピーディーかつ体系化されています。多くの会社は、企画から制作、配信・分析までを「ワンストップ」でサポートしています。
企業担当者が行う最初の依頼ステップは、制作会社への問い合わせとオリエンテーション(目的の共有)です。
1)依頼とヒアリング(企画開発)
まず企業側はプロモーションしたい商材やターゲット層(Z世代など)、予算、目的(ブランディングか、認知拡大か)などを明確にします。制作会社はこれを基にSNSでバズるための企画や共感を呼ぶストーリーの草案を複数提案します。
2)脚本・絵コンテの確定
提案された企画を基に、具体的な脚本(シナリオ)や絵コンテ(シーン割)を作成し、ストーリーと広告感を抑えた訴求の方法を固めます。
3)制作準備(プリプロダクション)
インフルエンサーや俳優のキャスティング、撮影場所のロケハン、スタッフ編成など、撮影に向けた準備を行います。
4)撮影・編集(プロダクション/ポストプロダクション)
制作準備が整い次第、スピーディーに撮影を実施します。その後、縦型・短尺に最適化されたテンポの良い編集作業(テロップ、BGM挿入など)を行い、動画を完成させます。
5)納品と配信・運用支援
完成した動画を納品。さらに「ワンストップ制作」の強みとして、TikTokやYouTubeショートなど最適なSNSでの配信戦略の立案、配信後のエンゲージメント分析やレポーティングまで支援する会社も多くあります。

SNS運用/配信・効果測定
縦型ショートドラマを制作した後、その広告効果やブランディング効果を最大化するためには、戦略的なSNS運用と配信、そして正確な効果測定が不可欠です。制作すること自体がゴールではなく、むしろ配信してからがマーケティングの本格的なスタートとなります。
配信においては、TikTok、YouTubeショート、Instagramリールなど、ターゲット層に最もリーチできるSNSプラットフォームを選定し、最適な曜日や時間帯に投稿する必要があります。
最も重要なのが効果測定です。配信後は、エンゲージメント(「いいね!」、コメント、シェア、保存数)、視聴維持率、インプレッション(表示回数)、プロフィールへの遷移率などを詳細に分析します。
どのシーンで離脱が多いか、どのようなコメントが寄せられているかを把握することで、視聴者がストーリーのどこに共感し、あるいは違和感を覚えたのかを見える化できます。
この分析結果を基に、次の配信内容や制作するストーリーを改善していくPDCAサイクルを回すことが成功の鍵です。しかし、この専門的な分析や日々のSNS運用は、企業にとって大きなリソースを必要とします。
そのため、制作会社やSNSマーケティング支援会社が、制作から運用代行までをワンストップで請け負うケースが増えています。運用代行を活用することで、企業はデータに基づいた効果測定と改善をプロに任せ、ショートドラマの効果を継続的に高めていくことが可能になります。
広告効果を測定する方法
広告、特に縦型ショートドラマのようなSNS上でのプロモーションにおける広告効果は、単一の指標ではなく、複数の指標(KPI)を組み合わせて測定する必要があります。具体的な方法は、大きく分けて定量的、定性的なアプローチがあります。
1)定量的な測定方法
数値データに基づき「広告効果」を測定します。
・認知指標:広告がどれだけ表示されたかを示す「インプレッション(表示回数)」と広告が何人のユニークユーザーに届いたかを表す「リーチ数」があります
・エンゲージメント指標::視聴者がどれだけコンテンツに共感・反応したかを示します。ショートドラマ型広告では特に重要です。具体的には、「いいね!」やコメント、シェア(拡散)、保存数などがあり、これらの数値が高いほど視聴者の没入感が高く、広告として受け入れられたと言えます
・コンバージョン(成果)指標:広告の最終目的(商品購入、登録など)への貢献度を測定します。プロフィールやランディングページ(LP)へのリンクがどれだけクリック(タップ)されたかを表す「クリック率(CTR)」のほか、広告経由で実際に成果(購入・登録)につながった割合を示す「コンバージョン率(CVR)」などがあります
2)定性的な測定方法
数値では測れない「質」を分析します。例えばユーザーのコメント分析がそれに該当します。視聴者から寄せられたコメントの内容を精査します。「面白い」「感動した」「商品が欲しくなった」といったポジティブな反応は、ブランドリフト(ブランド好意度の向上)が起きたことを示します。
これらの定量的・定性的な分析を総合的に行い、PDCAサイクルを回すことが広告効果を最大化する正しい測定方法と言えます。
タイアップを成功させるポイント
ショートドラマやSNSのインフルエンサーを活用したタイアップ施策は、企業のプロモーションにおいて非常に強力な手法です。その成功にはいくつかの重要なポイントがあります。
最大のポイントは広告感をいかに抑え、視聴者にコンテンツとして楽しんでもらえるかにかかっています。従来の広告のように企業側が一方的に言いたいことを詰め込むのではなく、タイアップするクリエイターやドラマの世界観、ストーリーを最優先に尊重することが不可欠です。
そのためには、企業のブランドや商品とタイアップ先のクリエイターが持つファン層や作風との親和性が極めて重要になります。無理なタイアップは、クリエイターのファンを失望させ、ブランドイメージの毀損(炎上)にもつながりかねません。
成功しているタイアップの多くは、企業側が制作の細部にまで口を出すのではなく、クリエイターの専門性やストーリーテリングの能力を信頼し、ある程度の裁量を任せています。彼らこそが視聴者のニーズを一番理解しているからです。
タイアップとは単なる広告枠の購入ではなく、クリエイターと企業が共同で、視聴者(ファン)にとって価値のあるコンテンツを創り上げるマーケティング活動です。この視点を持つことが成功への鍵となります。
筆者プロフィール
稲葉 潤(いなば じゅん) 株式会社HA-LU 取締役COO

2000年生まれ、埼玉県出身。青山学院大学 総合文化政策学部大学卒業後、大手通信系企業でのプロダクトマネージャー、エンタメ系スタートアップでのデザイナーを経て2024年にHA-LUにショートドラマレーベル「株式会社HA-LU」を共同創業・取締役COOを務める。。現在は、縦型ショートドラマを広告コミュニケーション施策に活用するビジネスプロデュースや都市・商業施設と連携したリアル施策等を管掌し、営業部門責任者を務める。

